個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
田中 圭吾
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月08日更新

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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律

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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律

(目的)
 個別労働関係紛争解決促進法は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働者の募集及び採用に関する事項についての個々の求職者と事業主との間の紛争を含む。以下「個別労働関係紛争」という。)について、あっせんの制度を設けること等により、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする(個別労働関係紛争解決促進法1条)。

◎都道府県労働局長による援助・助言・指導
(労働者、事業主等に対する情報提供等)
 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対し、労働関係に関する事項並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての情報の提供、相談その他の援助を行うものとする(個別労働関係紛争解決促進法3条)。

(当事者に対する助言及び指導)
 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争(労働関係調整法第6条 に規定する「労働争議」に当たる紛争及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律 第26条第1項 に規定する紛争を除く。)に関し、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該個別労働関係紛争の当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができる(個別労働関係紛争解決促進法4条1項)。
 都道府県労働局長は、前項に規定する助言又は指導をするため必要があると認めるときは、広く産業社会の実情に通じ、かつ、労働問題に関し専門的知識を有する者の意見を聴くものとする(個別労働関係紛争解決促進法4条2項)。
 事業主は、労働者が都道府県労働局長による援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(個別労働関係紛争解決促進法4条3項)。

◎紛争調整委員会
(紛争調整委員会の設置)
 都道府県労働局に、紛争調整委員会を置く(個別労働関係紛争解決促進法6条1項)。 紛争調整委員会は、個別労働関係紛争解決促進法第5条第1項のあっせんを行う機関とする(個別労働関係紛争解決促進法6条2項)。
紛争調整委員会の名称は、その置かれる都道府県労働局の所在する都道府県の名を冠する(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第1条)。

(紛争調整委員会 の組織)
 紛争調整委員会 は、3人以上政令(個別労働関係紛争解決促進法施行規則2条)で定める人数以内の委員をもって組織する(個別労働関係紛争解決促進法7条1項)。 委員は、学識経験者のうちから、厚生労働大臣が任命する(個別労働関係紛争解決促進法7条2項)。

(紛争調整委員会の庶務)
 紛争調整委員会の庶務は、その置かれる都道府県労働局総務部において処理する(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第3条)。
(注)均等法によるあっせん手続とは扱う部署が異なる。

◎紛争調整委員会によるあっせん手続
(あっせんの申請)
 個別労働関係紛争解決促進法第5条第1項 のあっせんの申請をしようとする者は、あっせん申請書を当該あっせんに係る紛争当事者である労働者に係る事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第4条)。

(あっせんの委任)
 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争解決促進法4条第1項に規定する個別労働関係紛争(労働者の募集・採用に関する事項についての紛争を除く。)について、当該個別労働関係紛争の当事者(以下「紛争当事者」という。)の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において当該個別労働関係紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会 にあっせんを行わせるものとする(個別労働関係紛争解決促進法5条1項)。
 事業主は、労働者があっせんの申請をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(個別労働関係紛争解決促進法5条2項)。

都道府県労働局長は、紛争調整委員会にあっせんを行わせることとしたときは、遅滞なく、その旨を紛争調整委員会の会長に通知するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則5条1項)。
 都道府県労働局長は、あっせんの申請があった場合において、事件がその性質上あっせんをするのに適当でないと認めるとき、又は紛争当事者が不当な目的でみだりにあっせんの申請をしたと認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせないものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則5条2項)。
 都道府県労働局長は、紛争調整委員会にあっせんを行わせないこととしたときは、書面で、あっせんを申請した紛争当事者(以下「申請人」という。)に対し、遅滞なく、その旨を通知するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第5条)。

(あっせんの開始)
紛争調整委員会の会長は、紛争調整委員会にあっせんを委任する旨の都道府県労働局長の通知(個別労働関係紛争解決促進法施行規則5条1項)を受けたときは、紛争調整委員会の委員のうちから、当該事件を担当する3人のあっせん委員を指名するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則6条1項)。
 紛争調整委員会によるあっせんは、委員のうちから紛争調整委員会の会長が事件ごとに指名する3人のあっせん委員によって行う(個別労働関係紛争解決促進法12条1項)。
紛争調整委員会の会長は、申請人、紛争当事者の一方からあっせんの申請があったときの他の紛争当事者(以下「被申請人」という。)に対して、あっせんを開始する旨・あっせん委員の氏名を通知するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則6条2項)。

(あっせん手続の実施の委任)
 あっせん委員は、必要があると認めるときは、あっせんの手続の一部を特定のあっせん委員に行わせることができる(個別労働関係紛争解決促進法施行規則7条1項)。
 あっせん委員は、必要があると認めるときは、当該事件の事実の調査を都道府県労働局総務部の職員に行わせることができる(個別労働関係紛争解決促進法施行規則7条2項)。

(あっせん)
あっせん委員は、紛争当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即して事件が解決されるように努めなければならない(個別労働関係紛争解決促進法12条2項)。
 あっせん委員は、紛争当事者から意見を聴取するほか、必要に応じ、参考人から意見を聴取し、又はこれらの者から意見書の提出を求め、事件の解決に必要なあっせん案を、あっせん案委員の全員一致をもって作成し、これを紛争当事者に提示することができる(個別労働関係紛争解決促進法13条)。

(関係労使を代表する者からの意見聴取)
 あっせん委員は、紛争当事者からの申立てに基づき必要があると認めるときは、当該紛争調整委員会 が置かれる都道府県労働局の管轄区域内の主要な労働者団体又は事業主団体が指名する関係労働者を代表する者又は関係事業主を代表する者から当該事件につき意見を聴くものとする(個別労働関係紛争解決促進法14条)。
 あっせん委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、個別労働関係紛争解決促進法第14条 の規定に基づき、関係労働者を代表する者又は関係事業主を代表する者から意見を聴くものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第10条)。
一  紛争当事者の双方から申立てがあったとき。
二  紛争当事者の一方から申立てがあった場合で、紛争当事者に係る企業又は当該企業に係る業界若しくは地域の最近の雇用の実態等について、紛争当事者の他に関係労働者を代表する者又は関係事業主を代表する者から意見を聴く必要があると認めるとき。

(関係労使を代表する者の指名)
 あっせん委員は、個別労働関係紛争解決促進法第14条 の規定に基づき意見を聴く場合には、当該紛争調整委員会が置かれる都道府県労働局の管轄区域内の主要な労働者団体又は事業主団体に対して、期限を付して関係労働者を代表する者又は関係事業主を代表する者の指名を求めるものとする。この求めがあった場合には、当該労働者団体又は事業主団体は、当該事件につき意見を述べる者の氏名・住所をあっせん委員に通知するものとする。
(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第11条)

(あっせん期日等)
 あっせん委員は、あっせんの期日を定め、紛争当事者に対して書面で通知するものとする。
 あっせんの期日を指定された紛争当事者は、あっせん委員の許可を得て、補佐人を伴って出席することができる。
 紛争当事者は、あっせんの期日における意見の陳述等を他人に代理させる場合には、代理人の氏名、住所及び職業を記載した書面に、代理権授与の事実を証明する書面を添付して、あっせん委員に提出し、許可を得なければならない。(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第8条)

(あっせん手続の非公開)
あっせん委員が行うあっせんの手続は、公開しない(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第14条)。

(あっせん案の提示)
 あっせん委員は、紛争当事者の双方からあっせん案の提示を求められた場合には、あっせん案を作成し、これを紛争当事者の双方に提示するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第9条1項)。
紛争当事者は、あっせん案を受諾したときは、その旨を記載し、記名押印又は署名した書面をあっせん委員に提出しなければならない(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第9条2項)。

(あっせんの打ち切り)
 あっせん委員は、あっせんに係る紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる(個別労働関係紛争解決促進法15条)。
 あっせん委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、個別労働関係紛争解決促進法第15条 の規定に基づき、あっせんを打ち切ることができる(個別労働関係紛争解決促進法12条1項)。
一  個別労働関係紛争解決促進法施行規則第6条第2項の通知を受けた被申請人が、あっせんの手続に参加する意思がない旨を表明したとき。
二  個別労働関係紛争解決促進法施行規則第9条第1項の規定に基づき提示されたあっせん案について、紛争当事者の一方又は双方が受諾しないとき。
三  紛争当事者の一方又は双方があっせんの打切りを申し出たとき。
四  個別労働関係紛争解決促進法第14条 の規定による意見聴取その他あっせんの手続の進行に関して紛争当事者間で意見が一致しないため、あっせんの手続の進行に支障があると認めるとき。
五  前各号に掲げるもののほか、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるとき。
 あっせん委員は、あっせんを打ち切ったときは、書面により、紛争当事者の双方に対し、遅滞なく、その旨を通知するものとする(個別労働関係紛争解決促進法施行規則12条2項)。

(あっせんの記録)
 あっせん委員は、都道府県労働局総務部の職員に、あっせんの手続に関する記録を作成させるものとする。ただし、あっせん委員がその必要がないと認めたときは、この限りでない(個別労働関係紛争解決促進法施行規則第13条)。

(時効の中断)
個別労働関係紛争解決促進法15条の規定によりあっせんが打ち切られた場合において、当該あっせんの申請をした者がその旨の通知を受けた日から30日以内にあっせんの目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、あっせんの申請の時に、訴えの提起があったものとみなす(個別労働関係紛争解決促進法16条)。
(注)(個別労働関係紛争解決促進法5条による打ち切りの場合には、時効中断の効力がないことに留意が必要である。)

(あっせん状況の報告)
 紛争調整委員会 は、都道府県労働局長に対し、あっせんの状況について報告しなければならない(個別労働関係紛争解決促進法18条)。

なお、船員については、個別労働関係紛争解決促進法21条に特例がある。 

(適用除外)
 個別労働関係紛争解決促進法は、国家公務員・地方公務員については、適用しない(個別労働関係紛争解決促進法22条)。
ただし、特定独立行政法人の労働関係に関する法律第2条第2号 の職員、
地方公営企業法 第15条第1項 の企業職員、
地方独立行政法人法の職員
地方公務員法第57条 に規定する単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員であって地方公営企業等の労働関係に関する法律 第3条第4号 の職員以外のものの勤務条件に関する事項
についての紛争については、適用される。

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