不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック②】
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簡単に地盤の善し悪しを判断する方法として、
『地名に、水に関する字や、さんずいが含まれているかどうか』という判定方法が
昔からあります。
川・河・沼・津・泉・池・滝・海・浦・湖・港・潮・流・江・沖・溝・沢・浮・洲・瀬
などの付く地名は地盤が弱いことが多いというものです。
地名とは、その土地の履歴を教えてくれる手がかりとなるくらい、昔の土地状況に
関連していることが多くあります。
水田だった可能性があるということで「田」と付く地名や、他にも「谷」「畑」「岸」
また、「堤」「橋」は水に関する建造物、「荻」「蒲」「菅」など水辺に見られる動植物
など、さんずいの付かない字でも、マイナス評価をされる地名もあります。
そして、実際の立地状況が川の近くや海辺といった『水関係の近隣土地』は、
地盤が良いとは言い難いデータが出やすいものです。
そいういった背景から、『地名に水関係やさんずいは注意』という判断方法が言われる
ようになったのだと思います。
では、どのような地名だと地盤が良いと言われかですか、例えば「台」「丘」「山」「高」「林」
など、水はけ良い高台を表す字の付く地名には、地盤が良いと言われる所が多いようです。
しかし、この地盤が良いイメージの「台」「丘」「山」「高」「林」の地名も、全てが
良い地盤と言う訳ではありません。
23区でも大半をしめる武蔵野台地上にも、周囲と比べた際に低い立地だった所はります。
もともとは土地の高低に従い、安全な高い地域に住むことが多かったのでしょうが、
高度成長から平成初期にかけては首都圏の人口が増え、低い窪地の埋め立て、
高い崖の切り崩して新しい宅地を増やしてきた地域なども多くあります。
実際、物件調査で近隣の地盤データを拝見すると、地名に係わらず地盤の善し悪しには
数十メートル、数メートル単位で、ばらつきがある場合も多いのです。
ですから、営業マンに「この辺は近くに川も無いし、もともと台地だったエリアだから
地盤の心配は少ないですよ」などと言われ、それだけで土地購入の判断材料にするには
危険です。後々、「土地を売っただけ」「正確な建築費用までは知らないし分かる訳ない」
と言われかねません。
結論としましては、地名から地盤の善し悪しを判断するのは時代遅れです。
地名というより事実として海や大きな河川に近い土地ではないか、
大きくなくても近隣に川や暗渠などはないかなど、土地の状況を観ることの方が、
そのエリアの地盤を正確に判断できると感じます。
都内23区で言えば、墨田区、江東区、荒川区、江戸川区などのような、
大きな河川があったり、東京湾を埋め立てた地域では、近隣の地盤調査でも
あまり良い内容ではありません。
こういった土地条件の地域で物件を探す場合は、土地費用・一般的な建築費用に
合わせて、地盤改良費用も十分に意識した調査、資金計画が必要になります。
但し、これも地名と同じく大き過ぎる括りでの判断方法ですから、より正確に
地盤の強度を知るには、本地の地盤調査を行うことが必要です。
川や海の近くでも良い場所、弱い場所は分かれます。
川の近く(比較的地盤の弱いエリア)の中でも良い場所の方が、
台地(比較的地盤の強いエリア)の中でも埋め立てなどによって
開発された場所より、良い地盤であることもあります。
本地の地盤調査などは、通常、契約前にやらせてもらえることはありませんが、
近隣の調査記録が役所などに保管されていたり、ネット上でも閲覧できるもの
もありますから、なるべく近い場所のデータを数多く見て、その地域の地盤が
どういった特徴で、どの程度の強さなのか、思いがけない地盤改良費用に資金
がショートしてしまう危険性はないかを、しっかり考慮することが大切です。
次回は、その地盤調査記録を見る際に気を付けたいポイントの紹介です。
「一般的なボーリングデータの見方」については、下記コラムを参照して下さい。
■「地盤あれこれ。」①
http://ameblo.jp/adcast-escrow/entry-11571075050.html
■「地盤あれこれ。」②
http://ameblo.jp/adcast-escrow/entry-11571078453.html
■「地盤あれこれ。」③
http://ameblo.jp/adcast-escrow/entry-11571078732.html
■「地盤あれこれ。」④
http://ameblo.jp/adcast-escrow/entry-11571079023.html
【33】不確定な契約条件の注意点-20:地盤改良費①
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-114390/
【34】不確定な契約条件の注意点-21:地盤改良費②
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-115260/
【35】不確定な契約条件の注意点-22:地盤改良費③
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-115269/
【36】不確定な契約条件の注意点-23:地盤改良費④
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120267/
【37】不確定な契約条件の注意点-24:地盤改良費⑤
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120333/
【38】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑥
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120780/
【39】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑦
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120869/
【40】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑧
http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-122956/
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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