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不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック③】

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地盤調査の方法には種類がありますが、住宅建築前の地盤調査の場合には標準貫入試験か、

 

スウェーデン式サウンディング試験(以下「SS試験」という)のいずれかを用いることが

 

多く、そのデータの中には、役所に保管されているものや、ネットで閲覧できるものが

 

あります。

 

 

 

そして、不動産業者の中では、当社のような「物件調査報告書」を作成し、

 

購入時に説明・交付して、より購入検討している物件を理解してもらう為の

 

サービスを始めている業者も増えてきました。

 

 

しかし、いろいろな資料やデータを収集しても、その見方や意味を理解していないが為、

 

せっかく取得した資料を基に、間違った見解、真逆の説明をしているケースもあります。

 

 

 

地盤の善し悪しで言えば、近隣のボーリングデータです。

 

 

 

 

■「地盤あれこれ。」③

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その資料を見せながら、軟弱地盤を問題ないと説明していたり、

 

そこまで問題ないのに必要以上に不安を煽る見解を言っていたりと、

 

そのような状況が生まれていることも少なくないと思います。

 

 

 

軟弱地盤を問題ないと説明されて、それを信じ土地を購入した場合、

 

建築時には想像以上の地盤改良費が数十万、数百万、ときには数千万

 

なんて見積もりがでる場合もあります。

 

 

そうならない為に、ボーリングデータの何を注意知れば良いかを説明したいと思います。

 

 

 

 

先にも述べた通り、地盤調査には「標準貫入試験」と「SS試験」の2通りがあります。

 

それぞれの長所・短所は以下の通りです。

 

■標準貫入試験

・長所:地盤の強度がわかる、地下水位がわかる、採取した土から土層がわかる、

深い深度まで調査できる

・短所:作業スペースが大きい、費用が高額、打撃により作業音が生じる

 

■SS試験

・長所:調査費用が安い、比較的簡単にできる、試験結果をN値に換算できる
深度毎にデータがとれる

・短所:土を採取できないので詳しい土層がわからない、土の中にガラなどあると困難

 

SS試験は簡易的なものと言われますが、それぞれの長所短所の関係からか、

 

ほとんどの住宅の地盤調査ではSS試験が採用されることが一般的です。

 

 

 

ボーリングデータでは、「N値」と言われる数値に注目します。

 

この数値が地盤の強さの大切な判断材料になるからです。

 

 

この「N値」についても、2通りあります。

 

厳密には、「N値」といえば標準貫入試験によるものを言います。

 

 

SS試験の結果を基に「N値」を推定する数式(一般的は稲田式と言われる換算式が多い)

 

により導いたものは「換算N値」と言います。

 

この「換算N値」は、土の性質やその他条件によってバラツキが生じやすく、

 

そのことを考慮しながら知識や経験を駆使した判断が必要となります。

 

標準貫入試験によるものが、換算のつかない本当の「N値」などと言われたりします。

 

 

 

この両者を区別する為に、標準貫入試験のものを「N値」、

 

SS試験によるものを「換算N値」と呼んだりしているのです。

 

 

 

 

一般的に言われている地盤の善し悪しの基準は、地表面下10mまでの地盤に、

 

粘土質地盤ではN値が10以上あれば硬く、5程度で中くらい、2以下では

 

やわらかいとみなされます。

 

砂質地盤ではN値が30以上あれば密度が高く、20程度で中くらい、

 

10以下はゆるいと言われます。

 

 

 

 

■「地盤あれこれ。」③

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大まかに言いますと、「土質は何か」「N値がどうか」そして、その土質に対して良いと

 

判断されるN値が、どの深さから維持されているかで、地盤の善し悪しを判断します。

 

 

 

但し、先程の基準値は、標準貫入試験による「N値」においての目安です。

 

 

 

 

 

「宅地防災マニュアル」(建設省建設経済局民間宅地指導室:1989)による

 

軟弱地盤判定の目安では、有機質土・高有機質土(腐植土)というのが一つあり、

 

粘土質の場合、SS試験における換算N値3以下(標準貫入試験では2以下)、

 

砂質の場合、SS試験における換算N値5以下(標準貫入試験では10以下)と、

 

「SS試験の換算N値」と「標準貫入試験のN値」とで若干の違いがあります。

 

 

 

 

ボーリングデータの基本的な見方自体、分からないと言う営業マンも多いのですが、

 

多少分かる不動産関係者も、これを間違って考えている者が多いのです。

 

 

 

例えば営業マンから、「近隣のボーリングデータを役所で取ってみましたけど、

 

N値は6あって、軟弱地盤の目安の5以上あるので、悪くない地域ですね」と

 

説明されても、それが粘土質(3若しくは2以下)なのか、砂質(5若しくは10以下)

 

なのかで判断は違いますし、砂質の場合、その数値はSS試験の換算N値(目安5以下)

 

標準貫入試験のN値(目安10以下)と、軟弱かそうでないか、判断の分岐点にもなります。

 

 

 

そのことを理解しないまま、N値と言うものが5以上あれば大丈夫とだけ覚えていて、

 

間違った見解を説明していることも少なくないのです。

 

 

 

 

 

 

地盤の判断をする際、地盤調査には「SS試験」と「標準貫入試験」の2通りがあり、

 

「SS試験の換算N値」と「標準貫入試験のN値」は軟弱地盤の目安が違うという

 

ことを意識し、注意して判断することが重要です。

 

 

 

 

次回は、現地で簡単にチェックできる、軟弱地盤かもしれない注意ポイントです。

 

 

 

 

 

 

【33】不確定な契約条件の注意点-20:地盤改良費① 

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【34】不確定な契約条件の注意点-21:地盤改良費② 

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【35】不確定な契約条件の注意点-22:地盤改良費③ 

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【36】不確定な契約条件の注意点-23:地盤改良費④ 

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【37】不確定な契約条件の注意点-24:地盤改良費⑤ 

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【38】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑥

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【39】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑦ 

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【40】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑧ 

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