- 辻 良史
- 筑波大学発ベンチャー(株)サイバー・ヨガ研究所 代表取締役
- 東京都
- 博士(体育科学)
株式会社サイバー・ヨガ研究所の辻です。
「メンタルトレーニング」は、元々、旧ソビエトが宇宙飛行士の自己コントロール法のために開発しました。
そして、様々な技術を取り入れ、発展させ、今では主に競技スポーツ分野で取り入れられています。
そのテクニックの多くはヨガからきています。
それは、旧ソビエトがヨガの行者さんを自国に連れてきてオリンピックチームに指導をさせたという記録からも明らかです。
その具体的な技法には、
行動変容技法、目標設定技法、リラクセーション技法、バイオフィードバック法、注意集中技法、イメージ技法、情動のコントロール技法、暗示技法、ポジティブシンキング(積極的思考)
などがあります。
大きくは、
①緊張、不安、苛立ちなどの情動ストレスを軽減する方法
②ストレスの原因となっているストレッサーにアプローチする方法
に分けられます。
しかし、私のスタンスとしては、こういった技法を行う前に、まずは、脳の機能を高めることを勧めています。
アスリートにも多いうつ病の一種である「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の状態で今の状態から脱却しようとメンタルトレーニングを受けたとしても
脳の機能が正常に働いていない状態では、メンタルトレーニングの効果はあまり期待できないと思われるからです。
いくら素晴らしい「目標」を掲げても脳がそれに追いついていけない状況となってしまいます。
そしてそれが自己価値感を低下させ、
「やっぱりやっても無駄だ…、どうせ自分には無理だ…」などと、
さらに無気力な状態に陥らせてしまいます。
これはメンタルトレーニングに問題があるのではなく、脳の機能に問題があるということです。
人間が人間らしく生きるには、前頭葉が活性化している必要があります。
それは、人間が行動を計画し、実行するのは全て前頭葉が関わっているからです。
コーチングや、カウンセリングを受ける前に、軽めの有酸素運動やヨガで脳の神経ネットワークを正常化させる方をまずは優先させるべきだと思います。
このような軽運動は、脳の神経栄養因子(BDNF)を増加させ、記憶に関わる「海馬」を肥大化させます。
「海馬」は記憶に関わるだけでなく、ストレス脳と呼ばれる「視床下部」の過剰な働きを抑えてくれる役割もあります。
つまり、軽運動自体に抗ストレス効果があるということです。
当スタジオでは、ヨガで脳の機能を改善させた後に脳波の最適化トレーニングを導入することで、
効率的に脳機能の正常化に取り組んでいます。
筑波大学発ベンチャー株式会社サイバー・ヨガ研究所代表取締役 辻 良史
⇒「無敗脳ヨガ」ブログ
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