八納 啓造(建築家)- コラム「開口部をデザインして自然エネルギーを活用する方法」 - 専門家プロファイル

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ヤノウ ケイゾウ
( 建築家 )
株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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開口部をデザインして自然エネルギーを活用する方法

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省エネ、災害に強いこれからの家造りの知恵 4.自然エネルギーの活用について 2011-09-29 12:00

開口部をデザインして自然エネルギーを活用する方法


自然エネルギーの中でも太陽熱は、ある意味無限に活用出来るエネルギーです。
ただ、この夏の省エネ対策などの情報が最近溢れて「暑さをしのぐためにどうすればいいか?」という事ばかりクローズアップされてきたように個人的に実感しています。

北海道などの寒い地域では逆に「寒い季節に太陽光を家の中にどう取り入れるか?」を考えているのはご存知ですか?
※北海道などの地域に住んでいる人からとれば当たり前のことと思います

そして、この発想は冬場に暖房が必要になるエリアならどんどん活用したい内容でもあるのです。
例えば、真冬に太陽の日光を家の中に燦々と取り入れることが出来ると暖房不可も格段に下がります。

「でも、そんなに日光を家に入れれば夏暑くてかなわないのでは・・・」
と思われる方もいるでしょう。ですが、これは十分解決が可能です。なぜなら、夏と冬の太陽の入射角度が違うからです。

特にそれが活用できるのが南側の方位です。
例えば北緯35度(東京~福岡にかけての太平洋側付近)では、真夏の南中高度は78°、真冬で32°ぐらいになります。その差45°・・。

具体的には、庇などをつけて真夏の暑い時期の太陽光を室内入れないように設計します。
そして、それと合わせて南側の開口部を大きく取るデザインにすることが重要です。

東西は、夏でも冬でも入り込んでくる太陽光はあまり変わりませんので、住む方の要望に合わせて開口部はあまり大きくしない方が賢明です。※開口を大きくしても光を反射するLOW-Eガラスを活用したり暗幕カーテンなどをつけることも一つの方法です

ここで、注意していただきたいのは「南側の開口部のガラスにLOW-Eガラスを使うと冬場に太陽熱を家に取り入れられなくなる」という事です。

専門家のなかでもこの辺りの知識が曖昧なかたも多いので、この事実はぜひ覚えておきましょう。

開口部のデザインのまとめですが

●南側の開口は大きく取る。ただし、夏の日差しを避ける庇は重要

●それ以外の方位はあまり大きな開口にしない方がベター

●LOW-Eなどのガラスは南側の開口部に使用しない
 ※冬用に対応したLOW-Eなどの採用も考える

を心がけるのが自然エネルギーを活用するうえでは重要で、当社ではそれをデザインのベースに取り入れながら洗練させたものにすることをいつも心がけています。


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