八納 啓造(建築家)- コラム「高い断熱性能でも隙間があると寒い!」 - 専門家プロファイル

八納 啓造
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ヤノウ ケイゾウ
( 建築家 )
株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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高い断熱性能でも隙間があると寒い!

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省エネ、災害に強いこれからの家造りの知恵 5.断熱性能などについて 2013-03-22 00:19

家の気密性というものを押さえておこう

断熱性能の大切さをこのコラムでは綴ってきました。
一番代表的な数字としてお伝えしてきたのが熱損失係数のQ値でした。

 ※Q値に関しては別途コラムをご覧ください。

 家の断熱性能を高めるには、このQ値が根本的に大切になりますが、それ以外にも大切なものがあります。それは「どれだけこの家が気密がとれているか?」を示すC値というものです。これは家の床面積1㎡あたり、どれだけ隙間が空いているか?をcm2で示す数字です。例えばこの数字が1.0なら、1㎡あたり1cm2の隙間があるということになります。延べ面積100㎡の家でしたら、100cm2も隙間があることになります。

 

衣服でイメージすれば分かる!いい断熱でも隙間があると寒い!

「え〜、そんなに隙間があるの?」と感じるひともいるかも知れませんが、さらに興味深い話しがあります。

次の各国のC値の基準をご覧ください。

 アメリカ  4.55
 ノルウェー 1.65
 ドイツ   1.16(cm2/m2)
 日 本  「Q値」と同様に、北海道から沖縄までを6つの地区に分けられていて、1~2地区が2.0cm2/m2、3~6地区が5.0cm2/ m2と設定

基準の厳しいドイツで1.16です。それに対して、日本の数字は4地域で5.0。しかも、基準ではなく参照数値となっています。

 ※ドイツではこの数年でさらにこの数値が小さくなる予定です

 これは善し悪しの問題ではなく、もし「省エネの住宅をつくる」という前提なら、この5.0という数字は、かなり悪いわけです。イメージで言えば、断熱性能の高い上着をまとっているけど、隙間が空いていて寒い!という感じです。

 C値で目指したいのは1.0以下の数字です。これは、ある一定の腕をもっている工務店さんにしっかり指導すれば、実現出来るものなので、当社としても今後さらに普及させていきたいと考えています。

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