対象:住宅設計・構造
宜しくお願いします。
設計事務所に注文住宅を依頼し、今は実施設計に入っています。
先日、初めて工務店からの見積りが出たのですが、その額が予算よりも、一千万越えていました。
あまりにも、予算から差がありすぎるため、いかにコストを減らすかの話ばかり、自分たちの希望する家から遠退く感じで、注文住宅で建てる意味がわからなくなり、不信感を持ってしまいました。
そもそも予算内におさまる間取り設計だったのかさえ疑問でなりません。
そこで、契約解除を考えているのですが、契約書にも書かれている完成物の金額は、請求されると思うのですが、はっきり言って詐欺に近いので、全額は払いたくありません。
また土地は、繋ぎ融資が始まってしまっており、金利分を払っています。
この場合、住宅ローンは使えなくなるのでどうなるのでしょうか?
また、設計事務所から請求される設計監理料もローンに組み込んでいるので、一円もまだ払っていません。
預金が少なく用意が難しいのでその辺も悩んでいます。
この機に、もう家を建てるのは諦めるつもりなので、土地も売却するつもりでいます。
初期費用を出来るだけ抑えて住宅ローンを申し込みしたので、どれだけ請求されるかも不安でなりません。
でも、家を建ててしまってからでは遅いので、何か良きアドバイスをお願いいたします。
ブーケさん ( 大阪府 / 女性 / 37歳 )
回答:4件
予算オーバーの顛末について
大阪で設計事務所をしています。
心中お察し申し上げます。
コストダウンを図るには色々な手法があります。
○間取りを整理して構造的な無駄を省く方法
○仕上げ材や住設機器を吟味して質を落とさず値段を下げる方法
○住まい方を熟慮して無駄な坪数を減らしてしまう方法
○工法の選択
○工務店さんの協力
一般的にはこれらを駆使して、ご予算に近づけるのですが、1000万円のコストダウンとなれば至難の業かと思います。
但し、1000万円もオーバーする物件となれば、建築総額が相当高額な物件ではありませんか?最も多く建てられている2000万円クラスの物件では、1000万円もオーバーすることはまず考えられません。
また、高額物件であれば、上記手法を駆使すれば1000万円のコストダウンは不可能な数字でもありません。私の経験ですが、昨年1000万円以上のコストダウンに成功しています。
その為には、設計事務所をはじめ、工務店さんの選定から洗い直す必要があるかと考えます。
同じ業者で減額案を要求しても、今までと同じ発想でしか、減額案を出して来ないと思います。工事サイドの論理で値段を積み上げた減額案は、建築主の夢を色褪せたものにするばかりで、決して許容できるものではないでしょう。
また、折角苦労して求められた土地を買値で売れるかどうか判らない状況で、売却されるのももったいない話しかと思います。
つなぎ融資の金利負担は売却が成立するまで払わなければなりませんし、早急に処分しようと思えば、売却価格そのものを引き下げねばなりません。
夢と希望を膨らませて今まで来られたのですから、失望は大きいかと思いますが、夢を捨てずに再度マイホームに挑戦されることをお勧めします。
一つ教えて頂きたいのですが、現在実施設計中との事ですが、一般的には実施設計が完了していない段階での見積もりと云うのに、いささか違和感を感じます。
実施設計が完了して初めて正式な、見積もりの発注が出来るのであり、実施設計が完了していない段階での見積もりに、どれほどの信憑性があるのか疑問です。見積もり金額だけが一人歩きをしていませんか?
もしも2000万円クラスの物件で1000万円以上も予算がオーバーしているのなら、それは実施設計図書の不備による、工務店さんの過激とも云える安全側(値段が高い側)の見積もりである可能性だって考えられます。
もう少し詳しいお話しをお聞き出来れば、お力になれると思うのですが。。。。
評価・お礼
ブーケさん
2014/10/27 00:31ご回答ありがとうございます。
実施設計の大半は、完成しているのだろうと思うのですが、まだ頂いてない図面などもある状態なのに、一式図面の受領書にサインを求められ、サイン済みです。
設計士さんの手元には、完成された図面一式があるようですが、今思うと全て仕上げてからの受領書サインが当たり前ですよね。
そういうやり方にも疑問を感じています。
建築費用は、およそ2000万なので、おっしゃる通り1000万の予算オーバーは、おかしいと思います。
福味 健治
2014/10/27 08:25ご返答有難うございます。
改めてご質問を読み返すと、もう一つ疑問が湧いてきました。
完成物の請求とは設計図書や確認申請書を指すのでしょうか?設計契約を工事請負契約と分離して行われているのであれば、設計契約書の条項に契約解除に関する条項があるはずです。
事前に予算を提示しているにも関わらず、希望を逸脱した設計図書を作成されてしまってのであれば、契約解除に該当するかと思います。
その時の請求金額に対する支払方法も明記されているかと思います。
それなら条項に則り事務的に作業を進めれば問題は解決しますが、そうではないのですね。
推測ばかりで申し訳ないのですが、もしかして設計事務所さんは、ご自分で事務所選びをされたのではなく、工務店さんから紹介された設計事務所さんではありませんか?
そうであれば、設計事務所さんは工務店さんが得意先であり、工務店さんが不利益となるような設計図書は作成しません。つまり、減額に消極的な態度しかとれないのです。
工務店選びは重要ですが、工務店さんは設計図書に書かれた内容を忠実に完遂するのが業務です。設計図書の良否如何で建物の良否が決まると云っても過言ではありません。
再度設計契約書を熟読されることを勧めします。
可能であれば、もう少しお話しをお聞きしたいです。
回答専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
福味 健治が提供する商品・サービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
予算からの見積りオーバー
アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。
さて、ご質問の件ですが、この手のご相談は当方でも多くお受けしております。
特に、建築家の方々の場合には、コスト管理が不十分な方も多く、最後の最後になって数千万の予算オーバーという話は以外にあります。
また、今回の事案のように、設計の委託契約の中には成果物を出した場合の費用請求があるわけですが、予算にあわない設計図はご自身にとっては到底成果があったものとは言えませんので、成果物とは言えません。
したがって、それに対する費用は支払う必要はないでしょう。
過去にも、委託契約を解除したい旨を通知した際にこうした費用請求がありましたが、成果がないので支払うべきものではないということになり、委託契約金を全額返金してもらったケースもあります。
また、最近の判例でも、予定工事額を大幅に超過した設計は債務不履行とされ、契約解除できるという判例があります。
つまり、設計業務は委託者の工事予定額を遵守した基本設計、実施設計をすべき義務があり、予算額と予定工事額をその都度、確認せず、これらを大幅に超過する設計を行ったことは債務不履行であると判断したわけです。
こう考えると、ご自身のご指摘の通り、最初から費用に関する精査はされておらず、上記の判例と同様のことが言えるかと思います。
いずれにしましても、詳しくは契約関係の書面を見ないと何ともいえませんが…
また、住宅ローンに関しては、最終的に土地を売却するとなれば、売却代金で元金を完済していけば問題はありません。
もし、ほかの業者さんで建築を今後お考えの場合には、銀行に業者変更があるので、もうしばらく待ってほしい旨を伝えることです。
当方がサポートしておりますお客さまにも、こうしたケースはよくあり、正式な全額実行を待ってもらっておりますね。
今後の対処法としましては、専門家(当方でも構いませんが)による詳細な状況を把握してもらい、契約関係などの資料を見せられて、方向性を見出すことがよろしいかとはと思います。
以上、簡単ではありますがご参考になれば幸いです。
尚、個別のご相談や詳しい説明をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。
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評価・お礼
ブーケさん
2014/10/28 07:32お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
とても力強いお言葉に、少し勇気が持てました。
元々は、建て売り戸建てを購入するか悩んでいたのですが、自分たちの希望が練り込まれたマイホームなら、少し頑張って注文住宅でと希望し、提案された間取りも気に入ったので、夢を叶えるために、希望していた地域を諦め、少し田舎の方で土地を検討し、購入を決め話を進めてきたので、無理なプランだったのなら契約はしてなかったです。
アドバイスして頂いた内容を参考に、検討させて頂きます。ご回答ありがとうございました。
回答専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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中舎 重之
建築家
-
1千万円の予算オーバーの設計
当方も設計事務所の一員なので、その立場でお話します。
建物全体の規模が不明ですので、曖昧な回答になります。
建築費を1千万円を減らすのは、殆ど不可能に近いと思います。
建築費を坪百万円とすれば、10坪の面積を減らす事になります。
但し、10~15年後に其の部分の増築が可能ならOKです。
もう一つは、完成部分を限定して、後で仕上げて使用する方法もあります。
1階部分は、すべて完成させ、当分の間は生活を1階のみとします。
2階部分は、構造躯体と屋根と外壁のみ完成させて、内部は仕上げを保留します。
必要な時期が来たら、一部屋づつ仕上げて使用します。完成を10年遅らせる時間差を利用します。
さらに、大事な事ですがキッチン、ユニットバスの設備品はクラス「中の下」を選択して下さい。
15~20年後のリフォームを念頭におき、希望のクラス「上の中」を設置するのです。
これも時間差です。
要は、人生の長さに合わせて、時間と共に住まいを完成させるのです。
特に、ドイツでは建物の屋根と外壁のみを完成させて、
内部は自らの手で時間を掛けて造るのが一般的な様です。
これは、税金対策に有効との話です。
日本は、建物を完成させて、以後メンテナンスもなしで、
耐用年数25~35年放置する悪い風潮があります。
それらを、総合的に考えて、今後の計画に生かして下さい。
兎に角、実施設計は中止するのが先決です。
人生の歩みと、建物の成長をシンクロさせる事を考えて下さい。
木造住宅での耐用年数が大変に短く、定年と、住宅ローンの完済が同じになり、
建物の寿命も同じでは、平均寿命までの20年間が空白期間になる事だけは、
是非にも避けて下さい。
以上です。 2014.10.25 中舎重之
評価・お礼
ブーケさん
2014/10/25 14:21ご回答ありがとうございます。
とにかく中に使う建材や、備品を最低ランクのモノに設定しての再見積りをとるらしく、それでも一千万のコストダウンには、届かないかもしれないって言われました。
実施設計に入ってから、最低ランクのモノを入れて再見積りをとる事になるなら、
何故その前に、およその見積りを工務店に依頼しなかったのか、腹が立ちます。
大きな設計事務所で知名度もあるとこだったので、
信頼していましたが、本当に残念です。
回答ありがとうございました。
中舎 重之
2014/10/25 15:11設計の流れが、悪い状況ですね。
間取り、予算の決定をして、お客様の同意を得てからの実施設計に入るものです。
住宅設計は担当者の力量が問われる物件です。
近畿地域は、これから大きな地震が起こる場所ですので、
予算と合わせ、耐震にも考慮して下さい。
2014.10.25 中舎重之
吉田 武志
建築家
-
1000万円見積りオーバーの設計について
栃木県宇都宮市で注文住宅とリフォームを行う工務店・一級建築士事務所をやっております。ヨシダクラフトの吉田と申します。よろしくお願いいたします。
予算管理のできない専業の建築設計事務所の場合は、これが怖いです。
しかし、1000万円の予算オーバーは聞いたことがありません。
そもそも、建築費に対して建物が大きかったのだと思います。
予算内に納めるには、とにかく計画初期から建物を小さくするしかありません。
100万円オーバーしても、30坪の住宅だと、坪あたり3.3万円コストダウンする必要があります。坪3万円落とすのも相当大変なのに、1000万円オーバーだと、坪あたり33万円落とさなくてはなりません。完全にこの建築計画は無理です。
普通は、設計契約前に施主に予算を聞いて、その予算だと、この仕様でこの大きさくらいだと、話をする必要があります。予算が少ないのに希望の多い施主には(質問者のことではありません)、特にしっかりと話をする必要があります。この設計事務所は、予算と仕様と建物の大きさの関係を設計契約前に施主に話さなかったのかもしれません。
建築計画を中止する方向で、早急に設計事務所と話し合いが必要でしょう。
設計期間がどれくらいあったのか分かりませんが、予算管理のミスが原因ですから、
設計事務所からの請求は無い方向で話し合うことが大切かと思います。
うまく行かないなら、なるべく早く建築専門の弁護士等に依頼するのが良いかと思います。
評価・お礼
ブーケさん
2014/10/25 17:08ご回答ありがとうございます。
誰に聞いてもやはり、一千万もオーバーは、常識的にもおかしいし、完成物の請求をされても払う必要はないよ。
と、アドバイスいただきました。
間取り的に、少しコストのかかる間取りではあるんですけど…って、今更言われても困りますよね。
話し合いが、スムーズにいけば良いですが、こちらも強気で交渉したいと思います。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
吉田 武志
2014/10/25 21:15ご評価頂きありがとうございました。間取りも要因だと思いますが、予算オーバーの主因は、建物の大きさだったと思います。頑張ってください。
(現在のポイント:-pt)
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