対象:ペットの医療・健康
初めまして。実家で飼っている15歳メスのミックス犬についてどうぞご教示下さい。
1年ほど前から副腎皮質ホルモン値が高いと言われ、その後心臓肥大となり、急にふらついて倒れるという事が何度かあったようです。最近はそういった事がないと聞いていたので安心していたのですが、10日程前よりハァハァといった呼吸があり、段々ひどくなって今はガァガァと咳き込むような、まるで人間の喘息発作みたいなものを起こしています。
食欲はあり、また水も飲んでいますが、発作時はかなりしんどそう。夜中が特にひどく、実家の両親がかかりつけの獣医師さんに相談したところ、気管支拡張の薬は副腎皮質ホルモンを含んでいるので、この子には処方出来ないとの事。それでは鎮痛剤みたいなものは?と聞いてみたところ、また同様な返事があったという話でした。
実家はかなり田舎で大学病院のような施設はなく、また実家の両親も老齢ですのであまり無理は言えないのですが、私自身は何とかしてあげたいのです。本当にこの子に処方出来る薬はないのでしょうか?現状は夏という事もあって、3時間置き位に新しいアイスノンを抱かせています。そうすると少し楽になるのか、発作も治まる事が多いです。
今後を考えると忍びなく、また自分の無力さに落ち込みます。せめて苦しみは少しでも取ってやりたいと思うのです。無論、安楽死など考えておりませんが、この子に取って何が良いのか?そればかりを思います。
ご面倒をお掛けしますが、私に少しでも出来る事があれば教えて下さい。宜しくお願い申し上げます。
julia-japanさん ( 大阪府 / 女性 / 42歳 )
回答:2件
咳の薬
はじめまして、アレス動物病院の沖田と申します。
さて、確かに副腎皮質ホルモンはさまざまな原因の咳に使用できる咳止めとしては万能の薬(その代わり使い方を誤ると副作用も大きいですが)ですので、これが制限されるとなると、なかなか難しいですね。
とすると、大事なのは咳の原因をはっきりさせて、その原因にマッチした薬を選ぶということになります。
心肥大から来る咳となると心臓が大きくなりすぎて気管などを圧迫しての咳ということになりますので、ACE阻害剤など末梢血管を拡張し、心肥大を軽減する薬が適応になります(すでに使われているかもしれませんが)。またベトメディンという比較的新しい薬もありますし、気管支拡張剤(これは副腎皮質ホルモンとは別の薬もあります)や、咳止め(副腎皮質ホルモン以外の咳止めもあります)も試してみる価値はあるかもしれません。
また心肥大のせいで、肺水腫(循環不全により肺に水がたまっている状態)になって咳が出ている場合は、利尿剤が効果的かもしれません。
少し気になったのは、書かれている文章を拝見すると、心肥大からの咳の可能性ももちろんあるとは思うのですが、気管虚脱などの心肥大以外の咳の可能性もありうるのではないでしょうか。
この場合先にあげた気管支拡張剤や咳止めを使用するとともに、エアコンでかなり涼しい環境を作ってあげ、もし太っているのならばダイエットによっても相当症状は改善します。
ひと括りに「咳」といっても心肥大の咳、肺水腫の咳、気管虚脱の咳というように原因が異なるものが多々あります。
まずは主治医の先生とよくよく相談し、何からきている咳なのかをはっきりさせ、それに合った治療を考えるというのが、大事な一歩ではないでしょうか。
ちなみに当院に通ってらっしゃる患者さんで、重度の気管虚脱で夏場によくガーガー苦しくなるとのことで、酸素吸入やネブライザーで症状がひどい時にコントロールされている方もいます。
動物用酸素室のレンタルやネブライザー(これは意外と安いので購入されている方もいますが)の使用なども、原因によっては一つの手段かもしれません。
評価・お礼

julia-japanさん
沖田先生、ありがとうございます。
昨夜、あまりにも嬉しくって補足にお礼を書きこんだのですが、ネットの不具合も直ったようですので、改めてこちらに書き込んでいます。
補足に動物用酸素室レンタルやネブライザーの件をお伺いしたのですが、ネットでレンタル業者を見つけました。ネブライザーはまだ見つけていませんが、引き続き調べたいと思います。
先ほど、実家の両親にも連絡しました。本当に感謝申し上げます。
回答専門家

- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

RE:薬がない?見守るだけ?なんでしょうか…
まず、ご質問の犬は副腎皮質機能亢進症があるとのことですので、血栓が作られやすい病態の可能性があります。血栓が肺に塞栓すると咳が多く発生しますが、その診断には一般に心臓超音波検査などから肺高血圧症の確認、および血液凝固・線溶亢進状態を把握するための特殊血液検査が必要です。特殊血液検査は外注検査ですので特別な設備がなくても可能ですが、超音波検査は一定以上の設備と心臓検査にある程度知識のある獣医師が検査を実施する必要があります。
心臓肥大および気管支拡張については文面からのみでは程度が把握できませんのでコメントが難しいのですが、心臓肥大はその原因および症状に応じたさまざまな治療法があります、本当に気管支拡張であるのか(その場合は根本治療は困難です)、咳き込みが多く気管支炎などを併発しているのか(その場合は抗生剤やネブライザーが有効な場合もあります)、肺高血圧があるのか(肺高血圧に推奨されている薬があります、ただし高価であったり入手に手間がかかったりします)により、軽減可能な可能性もないとは言えません。かかりつけの病院での治療範囲に限度があるようでしたら少し大きな病院を紹介して頂くことも良いのではないかと考えます。
また、julia-japanさんのご両親がなさっているように少し涼しくてあげること、酸素室、あるいはネブライザー程度でしたら個人宅に設備することも可能ですので、かかりつけの先生に相談される価値があるかと思います。
ご参考になれば幸いです。
評価・お礼

julia-japanさん
●●先生、ご丁寧にありがとうございました。
先日、病院に連れていったところ、肺に腫瘍が出来ているかもしれないとの事で、来週検査となったようです。その結果で処方薬を決定するとか。ですので、現在はまだ結構ひどく咳き込んでいるようです。こういった症状にもネブライザーは有効でしょうか?
感謝申し上げます。
(現在のポイント:-pt)
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