対象:ペットの医療・健康
咳の薬
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はじめまして、アレス動物病院の沖田と申します。
さて、確かに副腎皮質ホルモンはさまざまな原因の咳に使用できる咳止めとしては万能の薬(その代わり使い方を誤ると副作用も大きいですが)ですので、これが制限されるとなると、なかなか難しいですね。
とすると、大事なのは咳の原因をはっきりさせて、その原因にマッチした薬を選ぶということになります。
心肥大から来る咳となると心臓が大きくなりすぎて気管などを圧迫しての咳ということになりますので、ACE阻害剤など末梢血管を拡張し、心肥大を軽減する薬が適応になります(すでに使われているかもしれませんが)。またベトメディンという比較的新しい薬もありますし、気管支拡張剤(これは副腎皮質ホルモンとは別の薬もあります)や、咳止め(副腎皮質ホルモン以外の咳止めもあります)も試してみる価値はあるかもしれません。
また心肥大のせいで、肺水腫(循環不全により肺に水がたまっている状態)になって咳が出ている場合は、利尿剤が効果的かもしれません。
少し気になったのは、書かれている文章を拝見すると、心肥大からの咳の可能性ももちろんあるとは思うのですが、気管虚脱などの心肥大以外の咳の可能性もありうるのではないでしょうか。
この場合先にあげた気管支拡張剤や咳止めを使用するとともに、エアコンでかなり涼しい環境を作ってあげ、もし太っているのならばダイエットによっても相当症状は改善します。
ひと括りに「咳」といっても心肥大の咳、肺水腫の咳、気管虚脱の咳というように原因が異なるものが多々あります。
まずは主治医の先生とよくよく相談し、何からきている咳なのかをはっきりさせ、それに合った治療を考えるというのが、大事な一歩ではないでしょうか。
ちなみに当院に通ってらっしゃる患者さんで、重度の気管虚脱で夏場によくガーガー苦しくなるとのことで、酸素吸入やネブライザーで症状がひどい時にコントロールされている方もいます。
動物用酸素室のレンタルやネブライザー(これは意外と安いので購入されている方もいますが)の使用なども、原因によっては一つの手段かもしれません。
評価・お礼

julia-japan さん
沖田先生、ありがとうございます。
昨夜、あまりにも嬉しくって補足にお礼を書きこんだのですが、ネットの不具合も直ったようですので、改めてこちらに書き込んでいます。
補足に動物用酸素室レンタルやネブライザーの件をお伺いしたのですが、ネットでレンタル業者を見つけました。ネブライザーはまだ見つけていませんが、引き続き調べたいと思います。
先ほど、実家の両親にも連絡しました。本当に感謝申し上げます。
回答専門家

- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
初めまして。実家で飼っている15歳メスのミックス犬についてどうぞご教示下さい。
1年ほど前から副腎皮質ホルモン値が高いと言われ、その後心臓肥大となり、急にふらついて倒れると… [続きを読む]
julia-japanさん (大阪府/42歳/女性)
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