小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「言葉のイメージ」による違いの難しさ」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「言葉のイメージ」による違いの難しさ

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2017-07-11 08:00

 私の肩書は、今のところは「人事コンサルタント」ということになっていますが、いろいろな分野の専門家同士で、この「コンサルタント」という呼び名を、何か言い換えることができないかという話題になったことがあります。

 

 「コンサルタント」という言葉のイメージとして、「偉そう」「何をやっているのかわからない」「うさんくさい」「敷居が高そう」などのネガティブなものがたくさん出てきて、そういうイメージが持たれないような良い表現がないだろうかということです。

 

 いろいろ話し合っては見たものの、自分たちの仕事を表現する言葉としてふさわしく、なおかつ世間一般に通用するものは、結局「コンサルタント」という言葉しか見つかりません。

 良い言葉が見つからない限り、「コンサルタント」と名乗るしかないということですし、「コンサルタント」の言葉のイメージが変わってくれば、また感じ方は違ってくるのだろうと思います。

 

 これに限らず、言葉のイメージや表現方法による受け止め方の違いというのは、いろいろな場面で出て来ます。

 

 例えば、今の職場の中で、「気合と根性が大事」などといっても、それはなかなか受け入れづらいですが、「メンタル強化」などといえば、もう少しすんなり受け入れられたりします。

 また、相手を主語にした「Youメッセージ」は、どうしても相手を責めるニュアンスになりやすく、これに対して自分を主語にした「Iメッセージ」の方が、自分の感情を伝えるニュアンスになり、相手が受け入れやすい柔らかな表現になります。

 「(あなたは)なぜ遅刻したのか!」といわれるよりは、「(私は)遅いから心配していた」といわれた方が受け入れやすいというようなことです。

 

 表現のしかたという点では、例えば自分のミッションに他人を巻き込んでいこうとしたとき、「俺についてこい」が良い場合、「一緒にやろう」が良い場合、「頼りにしている」が良い場合、「助けてほしい」が良い場合など、時と場合によって、どんな相手かによって、様々な状況があります。

 

 経営者や管理者、その他リーダーたちは、自分の意思をどんな言葉で周囲に伝えるかに神経を使っていますし、新聞や雑誌やテレビといったメディア関係、政治家や芸能人など、自分の発言が公の場に流れていく人たちも、同じく気をつかっているでしょう。

 

 私は「人事コンサルタント」として、企業の人事施策や人事制度作りをお手伝いすることがありますが、その際に何をどんな言葉で表現するかということには、同じようにとても気をつかいます。

 

 「課長」が「マネージャー」だったり、「査定」が「評価」だったり、「歩合」が「インセンティブ」だったりしますが、会社によってそれぞれの言葉の捉え方が微妙に異なります。その微妙なニュアンスの違いを含んでおかないと、後から微妙な行き違いが生じます。

 その行き違いは、時間の経過とともに解決されていく場合もありますが、時間が経つほど大きくなってしまう場合もあります。

 これがグローバル企業となれば、それぞれの社員同士の間には、母国語の違いや文化的背景による違いがありますから、言葉のイメージを統一するには、さらに難しさがあるでしょう。

 

 「言葉のイメージ」の違いによる難しさを解決することは、そう簡単にはできません。特に日本語の場合は、他の言語に比べて語彙が非常に多く、ちょっとした言い方で意味そのものが違ってきます。このすべてを適切に使いこなすのは、なかなか難しいことです。

 ただ、少なくとも言葉のニュアンスの違いに感性を働かせ、より良い言葉を選べるように習慣づけていくことは必要です。

 

 「言葉のイメージ」による捉え方の違いを理解し、その場に応じた使い分けをしていくことが、特にリーダーには必要なことだと思います。

 

 

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