「継続は力なり」か、それとも「あきらめが肝心」か
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「継続は力なり」と「あきらめが肝心」はそれぞれ格言、名言として有名ですが、全く正反対の言葉です。
では、いったいどちらが正しいのでしょうか・・・。
たぶんそんなことを考えるのはナンセンスで、時と場合によって、きっとどちらも正しいだろうと思います。
そうは言うものの、私が最近聞いたお話で印象に残ったことに、「マサイ族の雨乞い」という話があります。
この話はすでにご存知の方もいるでしょうが、マサイ族が生活しているケニア南部からタンザニア北部一帯というのは8割以上が半乾燥地帯ということで、雨乞いの儀式があるのだそうです。ただ、その雨乞いでは、100%必ず雨が降るのだそうです。
この理由は科学でも超能力でもなく、「雨が降るまで雨乞いを止めないから」なんだそうです。
他にも、「成功者は成功するまであきらめなかった人」などと言います。こんなことから、やはり私は「まず継続することが大事」というように思います。どんなことでもまず継続してみないことには、何がどうなのかはわからないと思います。たいして取り組んでもいないうちに、「あきらめが肝心」などと言って止めてしまうのは、この「あきらめが肝心」という言葉の本来の主旨とは、たぶん違うはずです。
ある会社で、新規事業と言って何か事業を始めては、ちょっと結果が出ないとすぐに撤退してしまうところがあります。経営者は「深手を負わないうちに」「早い見極めが大事」と言いますが、成り行きを見守りながら続けていこうという気が無いのなら、そんなことは初めからやらない方が良いはずです。「あきらめが肝心」をちょっと勘違いしている例ではないでしょうか。
私は「継続は力なり」で、できる限りは続けてみて、無理をしなければどうしても続けられなくなった時にこそ、「あきらめが肝心」なのだと思います。
見切りが早いばかりでは、何も身にならないと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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