大企業ほど埋めにくい組織内のエアポケット
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私たちがお手伝いさせて頂く企業では、その人数規模に幅があります。社員数で10名前後から、多いとだいたい1500名前後くらいまでの規模範囲があります。
社内の仕組みづくりに関して、これを一般的に見れば、大きい企業の方が内部に専門人材がいて、仕組み自体はしっかり作られていますが、もちろん企業によって、その程度にはかなりの差があります。
少し前にお話をうかがった、世間ではそれなりの大手企業でも、「あれ・・・、その仕組みって無いんですか?」とか「えっ・・・、その程度の取り組みしかしていないんですか?」と思うことがいくつかありました。
これは決してめずらしいことではなく、組織規模の大小にかかわらず、どんな会社にも“エアポケット”があるということです。
社内の課題テーマとしてその時々に気づき、それに取り組んできたかどうかというだけで、社員数が多い方が、それに気づける人も取り組める人も多いですし、社歴の長い会社の方が、今までの時間の積み重ねがありますから、組織内の“エアポケット”が残りにくいだけの話です。
そうは言っても、取り組むべきテーマを理解している専門人材が社内にあまりにもいないとか、自社内のことしか知らずに引き出しがあまりにも少ないとか、そんな状況は間違いなくあります。
これは私の印象ですが、大企業の方が、一度できてしまった“エアポケット”が埋まりにくいように感じます。周りではそんなことは当然できていると思い込んでいる、当事者がそれを当たり前だと思っていて問題意識がない、そんな状況は大きな組織の方が起こりやすいのではないかと思います。
例えば、「漢字の読み方を間違って覚えていて、自分の子供の教科書を見て、初めて間違いに気がついた」なんていうことと同じ感じです。初歩的過ぎて周りから指摘を受けることもない、自分でも疑う余地なく思い込んでいる、というような状況でしょう。
こういうことを防ぐには、人や情報に幅広く接することを、その組織に属する人の多くが、意識的に取り組んでいくことしかありません。
内向きの意識だけではいつの間にか時代遅れになっていたり、大事なことが手つかずになっていたり、課題が“エアポケット”のように置き去りになっていたりします。
実はこのあたり、自社の技術や事業といった部分に関しては、そういう意識を強く持って取り組んでいるのに、組織内部のことになるとあまり意識を持っておらず、意外に置き去りになっていたりするものです。意識するという行動自体はすでに身に付いていますから、その視野をちょっと広げるだけ、ちょっと意識を持つだけでできるようになるはずです。
「自分たちの現状を疑い、周りの状況をよく見る」ということは、どんな場面でも大事なことだと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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