温熱環境計画
これからの家造りの大きな要素を占めるのが温熱環境です。寒ければ暖房して、暑くなれば冷房を掛けて、自然を克服しようとした考えは、20世紀の遺物として過去のライフスタイルとなりました。21世紀のライフスタイルは地球環境に負荷を掛けずに、如何に快適に過ごすかがキーワードとなっています。
屋外気温が30度を超えるような真夏になると、20世紀の家造りでは、クーラー無しでは耐えられませんでした。特に直射日光を屋根からモロに受ける二階の部屋は殆ど温室と化していました。
また、厳冬期には容赦なく足元から寒気が襲い床暖房やファンヒーターで力任せに暖を取る様な生活を強いられていました。
外気温が30度を越えても、氷点下であっても、屋内を快適にする方法はあるのでしょうか?
微々たる力ですが、その微々たる力を合わせる事によって少しでも快適な空間を造る方法はあります。
電気で例えるならば、原子力で圧倒的なエネルギーを手にする手法を辞め、地熱やソーラー・風力と云った微々たる力を終結させる事に似ています。
では、どの様なエネルギーを家に取り込めば良いのでしょうか。暖かさの源は太陽・地熱。涼しさの源は風・日除け・地熱です。
冬の昼間、太陽光を出来るだけ取り込める工夫をして、日が落ちても取り込んだ熱を逃さない工夫が必要となります。真夏でも日の当たらない場所は日向に比べれば随分と涼しいです。その涼しい空間にある空気を家に取り込めば涼しく暮らせます。
肝心なことは、お金をあまり掛けずに、地球環境にも負荷を掛けずに、如何に快適な空間を演出するかが、これからの家造りの大きなキーワードとなるのです。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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