【パッシブ発想に基づく省エネルギー住宅−7】・・・パッシプ設備による省エネ対策 集熱
「集熱」と「蓄熱」の仕方によっていろいろな方法が考えられますが、代表例を4つあげましょう。
まず、窓からの日射熱をそのまま床に蓄熱する「ダイレクトゲイン」、日射熱を壁に蓄熱する「トロンプ壁」、居室の南側にもう一つ温室のようなガラス張りの部屋を設けたのが「サンルーム型」です。
また、屋根面で暖められた空気を床下に送り蓄熱するのが「OMソーラー」です。
さて、部屋を暖めること以外で普及しているのが日射熱の給湯利用です。
屋根に設置した配管内の水を日射熱で暖めてタンクにためて使うというのが基本的な方法です。夏冬ともに利用できる点も魅力です。
このようなパッシブシステムには、窓の開閉、雨戸やカーテンブラインドの開閉など、その場の状況に合わせて人の手が介在する必要があります。
アクティブシステム、つまり機械にたよるのであれば、人間はただスイッチを押すだけの受け身(パッシブ)でいられるのとは対照的です。
パッシブシステムを使いこなすには、人間の方が環境の変化に応じて適切に活動、つまりアクティブにならなければならないのです。
その行動は単に自分のためだけではなく、地球環境の保護の一助にもなっている点に注目したいと思います。
パッシブシステムは「Think Globally,Act Locally! (地球規模で考え、身近な場で行動しよう! )」という言葉と深く結びついているといえるでしょう。(つづく)
このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
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