個人事業主の接待交際費 - 税務全般 - 専門家プロファイル

三瀬 宏太
法律事務所ホームワン 税理士
東京都
税理士
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個人事業主の接待交際費

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税務調査対策

法人税法においては、大企業は交際費等は全額損金不算入とされており、資本金1億円以下の中小企業に限り、租税特別措置法の規定により年600万円まで9割の損金算入が認められています。一方、個人事業主については、所得税法上、交際費等の定義は無く、支出した費用が事業遂行上、必要な経費であると認められれば、必要経費に該当し、不動産所得、事業所得、雑所得の金額の計算上、控除できます。

 

所得税法37条第1項の規定によれば、必要経費とは、売上原価又はその所得を得るために直接要した費用の額及び販管費の額とされており、いわゆる家事関連費は、原則必要経費には該当しない事とされています(所法45①一)。そこで、個人事業主の場合、私もよく質問されますが、この必要経費と家事関連費の区分が難しい例がよくあります。家事関連費とは、所得税法施行例第961項一号において、「家事上の経費に関連する経費の主たる部分が各所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要な部分を明らかに区分する事が出来る部分の経費以外の経費」となっております。非常に漠然とした書き方ですが、法律とはこの程度までしか書けないものです。それでは、どの様に税務調査対策をしたら良いかと言えば、裁判事例に学ぶのが良いでしょう。

 

以下に、必要経費と認められた事例と認められなかった事例を書き綴っていきますが、いずれにせよ、最低限必要な事は、以下の3点かと思います。

1、領収書の保存と支払った相手先の名前及び支出目的

2、事業に資する面と個人の私的交友に資する面の両方を併せ持つ場合は、主たる部分が事業の遂行上、必要であり、その必要な金額が明らかに区分することが出来る事を証する理論武装

3、税務調査における心証の問題があるので、上記資料を丁寧に整理しておくこと

 

必要経費と認めた事例

1、税務当局は、交際費の一部について、事業との関連が不明であり、必要経費に算入されないとしたが、その費用が主たる売上先に対する贈答であることから事業遂行上の必要経費とした。

(平成19322日裁決、裁決番号平180058、裁判事例集に搭載しておりません。)

2、税務当局は、領収書等に具体的な商品等の記載がなく、支出の内容が不明として、接待交際費に該当しないとしたが、国税不服審判所において、その費用は取引先等に対する接待及び贈答等に係る費用であることなどが認められるため、領収書のあるものについては必要経費に算入すべきとされた。

(平成10317日裁決、裁決番号平180058、裁決事例集に搭載しておりません。)

3、税務当局は、領収書等に具体的な商品等の記載が無く、支出の内容が不明であり、事業との関連性が認められないもの及び支払いの事実が確認できないものについては接待交際費に該当せず、必要経費の額から減算すべき旨を主張するが、①取引斉藤に対する接待及び贈答等に係る費用であること②県内外からの見学者に対する接待等に係る費用であること等が認められることから、少なくとも領収書の保存があるもの及び祝儀等で領収書の保存は無いが、その支払いの事実が明らかなものについては、必要経費とすべきとされた。

(平成10317日裁決、裁決番号090021、裁決事例集に搭載しておりません。)

 

必要経費と認めなかった事例

1、歯科診療業を営む請求人が参加した大学の同窓会等の会費について、開業歯科医師にとって、同窓会等は業界情報収集の場であり、そこで患者等の紹介を受けているため、当該費用は業務遂行上の必要経費として主張するが、税務当局から必要経費に算入できないとして、更正処分を受けた。裁決においても、同窓会等の活動により、患者の紹介を受けているとしても、同窓会等の活動が事業に直接関係するものに限定しているとは言えず、業務の遂行上、直接必要な部分を明らかに出来ないことからも、その会費については、必要経費とは認められないと判断された。

(平成13330日裁決、裁決事例集No.61129)

2、請求人は、包括的な利益のために包括的な接待交際を行っている旨主張し、接待交際の相手、目的及び必要性について申し立てるが、①接待交際の相手及び目的については、現実に、請求人の主張と請求人が原処分の調査において提出した接待交際費内訳書の内容とで一部相違する点がある事②その回数が多い事にかんがみれば、その正確性に疑念を抱かざるをえないため、必要経費には算入しないと判断された。

(平成14618日裁決、裁決番号平130051、裁決事例集には搭載しておりません。)

3、医院を開業している請求人は、接待交際費として購入した物品を医院関係者や患者紹介者等に贈答したものであり、事業遂行上必要であることから、必要経費に算入すべきである旨を主張するが、請求人が贈答したとする品物の一部については、①相手先が受領した事実が認められず、また、②帳簿書類等によれば、実際に購入した物品の品名を仮装して必要経費に算入している事実が認められる。以上の事から、必要経費に算入できないとされた。

(平成141031日裁決、裁決番号140009、裁決事例集には搭載しておりません。

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税理士 三瀬 宏太

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