60代の女性の、なんともやりきれないお話です。
ある日、自営業の旦那さんが急死しました。
保険が嫌いな頑固者だった旦那さんは、生命保険をかけていませんでした。
結婚以来ずっと専業主婦だったその女性は、どうやって生活していこうか悩みました。
そこで思い出したのが、独身時代に6年ほど加入していた厚生年金。
本当なら、すでに受給しているはずの年齢です。
しかし、旦那さんは国民年金も信用していなかったので、夫婦そろって未納でした。
そのため、年金を受け取る権利が発生せず、6年分の厚生年金も受け取れません。
年金相談員としては、何のお力にもなれません。
愚痴を聴いてさしあげることしかできません。
家屋敷を売って当面の生活資金にするとして、今から受け入れてくれる勤め先が見つかるでしょうか。
お子さんや親類縁者の援助は、受けられるでしょうか。
収入を得る手段が見つからなければ、最終的には、生活保護に頼るしかないのでしょうね。
生活保護といえば、今後、無年金者が多くなり、生活保護の申請も激増していくことが予想されます。
生活保護の財源は税金ですから、そちらのほうも心配です。
やはり、年金は大事です。
年金だけでは生活できないくらい少ないのは確かに現実ですが、生きている限りもらい続けることができます。
年金では足りない分を、自助努力で補うのが基本です。
もう一度、死ぬまでもらえるセーフティーネットとして、公的年金制度の意義をみなさんにも見直していただきたいのです。
年金の大切さについては、こちらのコラムもご覧いただければ幸いです。
「私もすでに、老齢厚生年金をもらっています(?)」
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このコラムの執筆専門家
- 服部 明美
- (埼玉県 / 社会保険労務士)
- 社労士はっとりコンサルティングオフィス 社会保険労務士
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職場のメンタルヘルスと年金関連を得意分野としております。就業規則の作成や見直し、休職・復職規程、衛生委員会の運営指導、社会保険制度説明会等、原稿の執筆や講演、社員研修の講師依頼など、お気軽にお申し付けください。
「年金」のコラム
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