「100年安心」を謳った公的年金、本当に信用できるのか? - 公的年金・年金手続 - 専門家プロファイル

釜口 博
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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「100年安心」を謳った公的年金、本当に信用できるのか?

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ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。 

  

  今回は、「100年安心」を謳った公的年金が本当に信用できるのか
  についてお伝えいたします。

  厚生労働省は、3月6日に開いた社会保障審議会で、公的年金
  積立金の運用利回り目標などを、5年に1度検証するための
  経済前提を示しました。

  その利回り想定は、
  標準シナリオが4.2%、上限が6%、下限が3%。

  年金積立金の自主運用を始めた2001年~2012年の
  平均利回りは、2.2%。
  GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)設立後の2006年~
  2012年の平均は、1.5%。
  今回の想定利回りの下限にも届いていないのが現状なのです。

  2012年の年金支払い額は49.8兆円に対して、保険料収入は
  30兆円にすぎません。
  残りは税金と約129兆円ある積立金の取り崩しで補っているのが
  現状。

  2009年の前回の検証では、保険料収入の減り具合と年金支払額
  の増加を補うために、利回り目標を2004年の3.2%から4.1%
  に修正。
  政府は国民にしっかりした告知もせずに、運用益想定をかさ上げし、
  「100年安心」のシナリオの帳尻を合わせました。

  学習院大学の鈴木教授が出した財政試算では、2012年11月以降
  の株高を勘案したとしても、公的年金の積立金は、2038年~40年
  に枯渇してしまうとのことです。

  この試算では、想定利回り2.5%、物価上昇率1%という
  非常に現実的な条件です。

  社会保障審議会は、高い利回りを実現するため、国内外の株式、
  物価連動国債、不動産投資信託(REIT)などに投資対象を
  広げるようにGPIFに求めています。

  これらリスク性資産の比率を高めれば、当然相場変動による損失
  リスクが高くなります。

  2012年度はアベノミクスによる株高の影響で、GPIFの運用利回りは
  9.5%を実現しましたが、リーマンショックが起きた2008年度は、
  ▲6.8%に落ち込んだこともあり、3~6%の利回りを安定的に
  確保するのは、至難の業だと思わざるをえません。

  自国の老後の年金が当てにならない可能性は、しっかり理解しながら、
  日本国民として、考えなければいけないことは、ありきたりの言葉
  ですが、「自己責任」であることは間違いありません。

  

   ご質問やご不明な点がありましたら、
   お気軽にご連絡下さい。
    メール:waku@bys-planning.com

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