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平 仁
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円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策

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菅内閣は「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策―新成長戦略

実現に向けたステップ2―」を今日8日、閣議決定した。

海江田経済財政相と玄番国家戦略相・党政調会長が昨晩、連立政権の

亀井国民新党代表と会談し、補正予算の枠組みが5兆円を超える見通しで

合意したことを受けて、補正予算の根拠となる政策方針を提示したものと

見ていいでしょう。

今回の経済対策は、9月10日に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた

3段構えの経済対策」で示されていた3段構えのステップ2に当たります。

 

9月10日に菅内閣の経済政策の方向性が示されたにもかかわらず、

デフレが慢性化し、失業率が5%超の高水準が続くだけでなく、

日銀が異例の措置に踏み切った後においても、円高傾向に歯止めが

かからない現状を打破するため、「補正予算の編成・実施を通じ、

今年末から年明け以降の景気・雇用の悪化のリスクに対し、これに先手を

打つよう需要面からの支えを行う。これにより、国民や企業のマインドに

安定感をもたらし、成長経路の下振れ懸念に対応する。」とした上で、

「需要面の成長志向とデフレ脱却という新成長戦略の目標をしっかり

踏まえ、「その場しのぎ」の対策ではなく、将来を見据えた「国家戦略」の

一環として対策を実施することを通じて、企業が安心して投資と雇用に

乗り出せる環境づくりをめざす。」とする。

また、為替政策では、「過度の円高の進行・長期化は、経済・金融の安定に

悪影響を与え看過できないとの観点から、引き続き、必要な時には

為替介入を含め断固たる措置をとる。」とし、「日本銀行に対しては、

デフレ脱却が政府と日本銀行の政策課題であるとの認識を共有し、引き続き、

政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な金融政策の

運営によって経済を下支えするよう期待」しているという。

 

具体的な経済対策として注目したいのは、2新成長戦略の推進・加速で

触れている「レアアース等天然資源確保の推進」と「科学・技術・情報通信

立国戦略の推進」の2点ですかね。

レアアースについては、尖閣諸島沖問題に端を発す日中関係の悪化が

もたらした新たな問題への対応なのかもしれないが、資源に乏しいわが国の

生命線とも言える問題だけに、供給リスクへの対応は死活問題ですね。

また、技術開発に再び目が向けられたことは評価したい。ノーベル化学賞の

ダブル受賞に沸いているタイミングでもあり、「研究開発や人材育成における

国際競争力を強化」と記載されたことは、政権内に「2番でも」などという

馬鹿げた発言があったことを考えれば違和感は否めないものの、

わが国産業の生命線であると私は考えているだけに、高く評価したい。

 

補正予算の審議ができるのか心配はあるものの、わが国国益のために、

「政局より政策」を貫いてもらいたいと思いますね。

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