あるテレビ番組で「個性」の話を取り上げていました。(ビートたけしさんと国分太一さんのテレビ東京の番組です。)
面白かったのが「規制がある方が個性が生まれる」という話です。番組では落語家さんを例にしていましたが、古典落語などほとんどの噺は昔から変わらず、お客さんはすべての中身を知っている、そういう縛りがあるからこそ個性を出していける、ということでした。そう言われれば指揮者でも役者でも、楽譜や台本という縛りがある中でそれぞれ個性は発揮されているなぁと・・・。
また実験で、芸術学校の学生さんにテーマだけを与えて規制はないチームと、テーマに規制を加えたチームにそれぞれ画を描いてもらっていましたが、規制のないチームより、規制のあるチームの表現に各々の個性が強く出るという結果になっていました。
私たちが仕事上で他の人からの企画提案を求める時に、発想を制約しないようにとあえて細かい条件を出さないことがあります。特に自分の部下などに対して、「何でも良いから自由に考えて」などと指示していることは案外多いのではないでしょうか。
逆に自分が企画提案を求められた時を考えると、一定の制約条件を提示された方がいろいろな案を考えやすいという所は確かにあると感じます。
一定の制約条件があった方が、より多彩多様な発想が出てくるということであれば、日常の仕事の中での指示命令の仕方、企画提案の求め方はおのずと変わってくるような気がします。
「規制がある方が個性が生まれる」ということを知っているか知らないか、意識するかしないかで大きな違いがあるように感じたので、今回ちょっと取り上げてみました。もし何か当てはまりそうな機会があれば、試してみてはいかがでしょうか。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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