世の中には適性テストといわれるものはたくさんあって、いろいろな場面で使われています。それなりに納得できる結果は出てきますし、その後を追跡していっても、確かにテスト結果で指摘された傾向は出てくるように感じます。
一方、テスト結果では図りきれない部分もたくさんあります。特にテスト結果と実際の成果が異なるのは、グループやチームでの仕事であることが多いように感じます。やはりそれぞれのメンバーが持ち味を補完し合いながら仕事をするでしょうし、お互いに刺激や影響を受け、自分だけでは思いもしなかった発想や価値観に遭遇することもあるでしょう。個人として向いていなくてもチームとして成功すれば、自分なりに喜びを感じるでしょうし、成功体験を積み重ねれば、そこに到達する方法論も身につくはずです。そもそもそんな環境ならば、「向いていない」などとは考えないでしょう。
適性というのは、最低限の実務能力や知識は確かにありますが、経験を積むことによる後天的なもの、周囲の環境に左右されるもの、そして何より自分の思い込みによる主観的なものが総合してあるように思います。
もし「この仕事には向いていない」と思った時、それが自分の能力の問題なのか、思い込みなのか、補完し合う事で改善の見込みは無いのか、もう一度考えて見ることが必要ではないかと思います。
「向いている」と思い込んで続けることで、開けてくる道もあるのではないでしょうか。
このコラムの執筆専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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