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「パソコンが苦手な若者」の話で思った、教えずにできる仕事はないということ

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 「若い世代でパソコンを使えない人が増えている」という新聞記事がありました。スマートフォンの普及や、親・学校のパソコンへの理解不足、経済的に苦しい家庭が増えていることなどが原因と考えられるとのことで、IT企業でさえも使えない新入社員がいて困っているケースがあるそうです。

 

 若者向けのパソコン講座を運営している団体によると、「学生時代までスマホだけだったため、パソコンのキーボードに不慣れで、エクセルやワードを使ったことがない人が増えている」「LINEばかりを使っていて、ビジネスメールとのギャップが大きい」ということで、就労のためにも技術習得の必要性が高まっていると言っています。

 

 私がこの記事を見て思ったのは、特に不思議な感じや驚きはなく、最近ではごく当然の普通のことで、若者がみんなパソコンが得意で使いこなしているというのは、勝手な思い込み以外の何物でもないということでした。

 

 そもそも、若者にパソコンの使い方を教える必要がないと考えるようになったのは、いつから始まったことなのでしょうか。

 私が新入社員だった頃で言えば、新卒で入社したのはIT系の会社で職種は技術職でしたが、学生時代にコンピューターなどさわったこともなく、それに関係する授業を何回か受けたのみという状態でした。当時はその程度のレベルの人がほとんどでしたから、みんな仕事をするために、相当基礎的な知識から研修を通じて学んでいきました。

 

 その後も、世の中の技術はどんどん変わっていきますし、入社してくる人たちの知識や経験のレベルも変わっていきますから、それに合わせて教える内容は常に変わっていきます。

 確かにパソコンの普及は進み、それなりに使いこなす人が増えたことは確かですから、教える内容もそれに合わせてアレンジしてきましたが、さらに時代が進んで、今度は日常でパソコンを使う機会がなくなってきた訳です。

 

 昨今の若者のパソコンスキルのことは、時代に合わせて対応してきたこれまでと同じ認識でいれば良いだけだと思いますが、それがなかなかそうなりません。

 つい愚痴の一つも言ってしまいますが、その理由にはこんなことが考えられます。

 

 それは、例えば技術スキルのように時代とともに進化していくものは、古いものを捨てて新しいものを教えるということがほとんどです。電卓をそろばんに戻すような、時代に逆行する流れはありません。

 ただ、若者のパソコンスキルについては、これまで徐々に教える必要がなくなってきたことを、またあらためて扱わなければならなくなってきたということで、その逆行現象に対する抵抗感があるのではないかと思います。

 

 最近は、電話応対が苦手な新入社員が増えているという話があります。携帯電話の普及で、電話機は一人一台のパーソナルなものになり、家の電話にかかってくるのは用がないセールスの電話くらいで、他人にかかってきた電話を取り次ぐという経験自体が、ほとんどなくなってしまっていることが大きな理由です。

 これについても、現場ではずいぶん嘆きの声を聞きましたが、この時も同じく、「今までは教えなくて済んでいたことを教えなければならない」という逆行する流れへの抵抗感でした。

 

 しかし、パソコンも電話応対も、本人に経験がなくて仕事に必要だとすれば、それは教えるしかありません。「なんで今さら・・・」と思っても、それはやるしかありません。

 そもそも、スマホになじんだ世代にとって、今さらパソコンを使うことの方が、よほど時代に逆行しています。しかし、古い新しいにかかわらず、仕事に必要なことは覚えてもらわなければなりませんし、できないことや知らないことは教えなければなりません。

 そんなことを原点に戻って考えれば、やはり「教えずにできる仕事はない」ということです。できないことを嘆いている場合ではありません。

 

 

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