「みんなそう思っている」というリーダーの思い込み - 組織戦略・組織作り - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人事労務・組織

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

「みんなそう思っている」というリーダーの思い込み

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人事労務・組織
  3. 組織戦略・組織作り
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 ある会社の社内ミーティングに、オブザーバーとして同席していた時のことです。

 

 仕事の進捗状況の確認をしている際に、リーダーがあるメンバーのことを、かなり厳しい口調で叱責し始めました。私が見ている限りでは、別に仕事上の進捗遅れや不手際があった訳でもなく、ごく一般的な話の流れの中からだったので、何がきっかけだったのかがよくわかりません。見方によっては、俗にいう、“キレた”に近い様子です。

 そして最後に一言、「みんながそう思っているのを、俺が代わりに言ってやっているんだ!」と言います。

 私も専門家として同席している立場上、その場では、原因はともかく、この場でその言い方は問題だ」ということをリーダーに伝え、後であらためて話を聞いてみました。

 

 リーダーによると、叱責を受けたそのメンバーは、仕事はそれなりにできるものの、先輩や同僚からすると、ちょっと生意気に見える態度や行動を取ることが、よくあるのだそうです。

 リーダー自身はそれほど気になっていませんでしたが、配下のサブリーダーから、「そのメンバーの態度や行動は問題である」「周りのメンバーはみんな自分と同じように、苦々しく思っている」という話をされ、リーダーとして指導してほしいと言われたそうです。

 

 そう言われて気をつけて観察していると、確かにそんな様子に見えなくもありません。サブリーダーは相変わらず「アイツは問題だ!」と繰り返し言ってきますし、そういう話を何度も聞いていると、「みんなそう思っている」と言われたこともあって、自分の中でも徐々に問題意識が強くなっていったそうです。

 そんな流れがあった中で、冒頭のミーティングでの「みんなの代わりに言っている」という発言になったようでした。

 

 この話を他のメンバーたちに、あえてストレートに聞いてみました。

 するとみんな、「あれはそういうことだったのですね」と言いながら、

「確かにそういうところはあるけど、別にそれほど気にならない」

「仕事はちゃんとしていますしね」

「いいんじゃないですか、生意気なところがあるくらいで」

など、“みんながそう思っていた”とはちょっと違う状況です。

 

さらに、

「サブリーダーの○○さんは怒ってましたけどね」

「リーダーからも尋ねられたので、“そんなところはありますね”とは言いましたが、それほど問題とは思っていませんでした」

とも言っていました。

 

 どうもサブリーダーが個人的に抱いていた不満が、「みんなそう思っている」との言葉で増幅されて、リーダーもそう思い込んでしまい、結果的にはピント外れの強い叱責になってしまったということのようでした。

 

 単なるコミュニケーション不足と言ってしまえばそれまでですが、特に人間関係にかかわるような話で、この「みんながそう思っている」というような、いかにも世論を背景にしているかのような言い方には、実は特に注意が必要です。自分の正当性を高めるためにそう言うだけで、実際にはみんなそう思っていないことが多々あるからです。

 今回の件でも、リーダーは自分なりに情報収集したようですが、“信頼しているナンバー2クラス”のサブリーダーからの話を、わりと鵜呑みにしていたことが問題でした。

 

 こんな人のうわさ話のようなことは、仕事上のオフィシャルな場面でも起こります。リーダーの立場として、このような思い込みに陥らないコミュニケーションを、日ごろから十分に意識しておく必要があります。

 自分自身がみんなと直接話していれば、「みんなそう思っている」の間違いは防ぐことができるはずです。

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

このコラムに類似したコラム

嘘をいうつもりがないのに、結果的に嘘になってしまうこと 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2017/09/26 08:00)

会話から「主語」がなくなってしまう理由 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2016/11/08 08:00)

「あうんの呼吸」に頼るマネジメントの弊害 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2015/04/28 08:00)

「私語厳禁」の職場を見て思ったこと 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2019/03/12 08:00)

先進企業ほどこだわっている「直接会って話すこと」 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2019/01/22 08:00)