事情の程度はあるにしろ、「内定取り消し」は企業の社会的責任として許されないという主旨で書きましたが、雇用情勢がそんな状況にあるということも客観的には事実で、これからさらに人員削減を考えざるをえない企業も出てくるだろうと思います。
一方こんな時期だからこそ、人を採用したい企業にとってはチャンスと言えます。これは単に求人倍率が下がって競争率が下がると言うことも有りますが、大きな違いとして、応募者が企業の本質的な部分に目を向けるようになるということがあります。
規模が小さくても、地味な仕事でも、堅実に事業展開して来た良い会社はたくさんありますが、こういう会社の求人は、たいがい採用数も多くなく、派手に告知している訳でも無く、会社の知名度も高くないですから、通常の時期では往々にして埋もれがちになってしまいます。また、どんな会社にも「このポジションに優秀な人材があと一人いれば・・・」というような潜在的な人材要望というのは必ずあるはずですが、どうせ採れないだろうと、初めから諦めて募集すらかけていないこともあると思います。
しかし今のような時期は、応募者の意識が全く違っています。小さな求人も緻密に探しますから、目に留めてもらえるチャンスが格段に増えます。ブランドや知名度などの表面的なことでなく、その会社の事業内容や過去の業績、仕事の内容など本質的な所を見極めようとします。この傾向は中小企業にとってこそチャンスと言うことができます。
多かれ少なかれ、どんな会社も厳しいことは間違いないと思いますが、それほど景気変動の影響を受けずにすんでいる会社もあると思います。これまで人を採りたくてもなかなか採れずにいた会社や、初めから諦めていた会社、特に中小企業は、今こそ採用のチャンスと考えて活動してみてはいかがかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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