- 小笠原 隆夫
- ユニティ・サポート 代表
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
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周りのいろいろな人たちを見ていると、軸は持ちながらも柔軟性があって、いろいろな意見を取り入れながら変革していく人がいる一方、あまり他人の意見に耳を貸さず、自分の考えを変えようとしない人がいます。
自分自身の行動を「変える」というのは確かに難しいことではありますが、こういう「変えようとしない」人たちを見ていて思うのは、多くの場合で「変えない」というよりは「変えられない」ことが多いということです。
私から「変えられない人」と見える人には、大きく三つのタイプがあります。
一つ目は、文字通り「頑固な人」です。
他人に指図されるのはイヤ、自分の考えることがすべてというような人で、あえて説明するまでもないでしょう。ここでの本人の意識は、自分は「他人に左右されない筋が通った人間」で、「変えない人」と思っていることが多いですが、性格や資質からして、本質的には「変えられない人」なのだと思います。
二つ目は「思い込みの強い人」です。
特にこだわりがあることについては、一つのことを「これだ!」と思い込んでいて、他の選択肢は眼中になく、そのことだけに固執していて変えることができません。
その反面、自分にこだわりがないことや興味がないこと、自分にとってどうでもいいと思っていることに関しては人任せなので、一見すると柔軟さがあるように見えますし、本人も「自分は柔軟な考え方をしている」などと思っていたりしますが、その本質は違います。視野の狭さとこだわりの強さから「変えられない」ということでしょう。
三つ目は「変えること自体を怖がる人」です。
これは環境変化や変革、その他変化そのものが嫌だという人です。保守的であるともいえますが、その中には意図的に「変えない」という選択をした人がいますから、その人たちを除けば「怖がって変えられない人」が残ります。
こういう人は、例えば資料の見直しや企画の再検討などを指示して、その場では「わかりました」と持ち帰るものの、次に確認すると結局直していないなどということがあります。持ち帰って考えたが、やはり元のままが良いのだと言い、その理由をいろいろと並べたてます。またそういうことが頻繁に起こります。
初めから変える気がない人は簡単には持ち帰らないので、その場でそれなりの議論になりますが、「変えることを怖がる人」は、その場ではあまり反論せず、いかにも納得したかのように振る舞います。
しかし、結局は何も変えずに、同じものをまた持ち出してきます。自分の経験範囲が狭かったり浅かったりして、結果の見通しを立てることができないために、変えることが怖いのだと思います。
仕事をしている中で見ていると、この「変えることを怖がる人」が実は一番多いのではないかと思います。そして、こちらの意図したことを先延ばしにして結局やらないということでは、3タイプの中でも最も行動が読めずに困ることが多いでしょう。
「変えられない人」を観察すると、こんな三つのタイプが見えてきます。いくつかのタイプが組み合わさっている人もいるでしょう。また、こうやって分類してみると、その対処方法はそれぞれのタイプで違ってくると思います。
「変えられない人」というのは、ただ頑固な人という訳ではありません。その人がどんな理由で変えることを好まないのか、そのことを見極めながらアプローチをしていく必要があると思います。
ただ、「変えられない人」というのは、本当になかなか変わりません。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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