小学校低学年くらいの男の子が中を走り回って騒いでいます。母親らしき人は見てみぬふりなのか、携帯メールに夢中で何も言いません。
同じく待っていた初老の男性がその子を注意しました。「こういう所で騒いではダメだよ」
しかしその子が男性に向かって口走った言葉は「くそじじい」
母親らしき人はようやく気づき、ビックリして男性に謝り、その子を叱りつけて静かにさせました。子供はふてくされています。
注意した男性は自分の用事が終わったようです。
男性は帰りがけに注意した子に向かって声をかけました。「君、ちゃんと静かにできるじゃないか。やればできるじゃないか。すごく偉かったぞ。」
子供はキョトンとしています。まさか褒められるとは思っていなかったからでしょう。でもふてくされていた表情からは見る見る変わっていきました。
以上、身近に起きた小さな出来事ですが、この“一方的に注意するだけでなく、その後改善されれば具体的にタイミング良く褒める”ということ。マネジメントの中ではよく言われることですが、なかなか実践できないことです。特に注意して反抗的な態度でもされれば、その後はできれば遠ざけたいと思うのが心情でしょう。
「人を動機付けるための基本は、大人でも子供でも変わらないな」と感じ、注意した男性の度量の大きさや態度に感心したというお話でした。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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