所得税では、住宅ローンを組んで住宅を取得した場合、
住宅ローン控除という税額控除(平成25年であれば、控除限度額20万円)がありますが、
この住宅ローン控除はリフォームした場合にも適用することができるのをご存じですか?
自己負担したリフォーム費用が100万円を超え、
10年以上の住宅ローンを組んでいる場合、住宅の取得と同様に、
年末の住宅借入金の残額の1%を税額控除することができます。
住宅をリフォームした場合には、所得税においてさまざまな税額控除の特例があり、
住宅ローンを組んでいなくても受けられるものもあります。
その他の住宅関係税額控除についても、平成26年4月から、控除額の引き上げが予定されています。
その一部として、住宅に省エネ改修工事をした場合の税額控除をご紹介します。
省エネ改修工事とは、主に住宅の断熱改修工事が該当します。
まず、住宅ローンを組んでリフォームをした場合、その住宅ローンが5年以上の返済期間であり、
また、自己負担したリフォーム費用が30万円を超える場合には、
5年間にわたり、省エネ改修費用については200万円を限度に2%、
それ以外のリフォーム費用については年末借入金残額(合計で1,000万円限度)の1%を
税額控除することができます。(各年の控除限度額12万円、5年間の控除限度額合計60万円)
この省エネ改修費用の限度額が、平成26年4月から250万円に引き上げられます。
これにより、各年の控除限度額は125,000円に引き上げられます。
5年間で25,000円の控除額の引き上げです。
但し、自己負担のリフォーム費用が50万円を超えるものでないといけないことになりました。
また、住宅ローンを組んでいない場合であっても、別の税額控除を受けることが可能です。
自己負担のリフォーム費用が30万円を超える場合には、
改修工事費用として一定の金額(200万円限度)の10%の税額控除を受けることができます。
控除限度額は20万円です。
太陽光発電装置を設置した場合には、改修工事費用の限度額が300万円に引き上げられ、
控除限度額が30万円とされています。
この控除限度額が、平成26年4月から、
改修工事費用の限度額が250万円(太陽光発電装置を設置した場合は350万円)に、
控除限度額が25万円(太陽光発電装置を設置した場合は35万円)に引き上げられます。
また、改正後は、高効率空調機(ヒートポンプ)、高効率給湯器(エコキュート)、
太陽熱利用システムの設置をした場合にも、この特例の適用が受けられることになりました。
但し、こちらの規定も、自己負担のリフォーム費用が50万円を超えるものでなければならないこととされました。
この他にも、住宅にバリアフリー改修をした場合の税額控除や、
住宅に耐震改修をした場合の税額控除についても、同様に控除額の拡充が予定されています。
このコラムの執筆専門家
- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
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