小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「本当の意味で望ましいビジネスパートナーとは」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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本当の意味で望ましいビジネスパートナーとは

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み 2017-10-31 07:39

 経営者やプロジェクトリーダーという方々、また今はそういう立場でなくても、仮にそうなったと想定した時、皆さんはどんな相手をビジネスパートナーに選ぶでしょうか。


 社会規範に関する感度、順法精神、道徳心といった「人としての善悪」や「モラル」にかかわることは一般的なものであるという前提で、ビジネスパートナーを選ぶ条件を私なりに考えてみました。

 思いついたのは以下のようなものです。

・同じ理念を共有できる人

・価値観が似ている人

・気が合う人

・能力・経験値が高い人

・強みを強化し、弱みを補完し合える人

・信頼できる人


 その他いろいろあるとは思いますが、だいたいの人が考えるものは網羅されていると思います。


 この中身を見ていくと、大きく3つの観点で分類することができます。

 初めの3つ「同じ理念」「似た価値観」「気が合う」というのは、世間でもよく言われることですが、これは言い方を変えると「似た者同士」ということです。

 この観点を重視してビジネスパートナーを探すと、同じ業界出身、同じような職歴、同じ職種、同じ大学出身、同じような偏差値レベル、同じような年齢、同じような家族環境というように、相手は自分と重なる部分が多い人ではないかと思います。


 さらに、続く2つ「能力と経験」「強化と補完」は、どちらかと言えば「自分とは特性が違う人」という観点です。お互いの違いがうまくかみ合うことをパートナーに求めていますが、「似た者同士」とは反対のニュアンスなので、価値観を共有することなどと両立させるのは難しい部分がありそうです。


 そして最後の「信頼」は、前述の2つの分類とは異なり、どんな場合にもあてはまる必須要件だと思います。


 こうやって分類をしてみましたが、実際の場面で一緒に起業するメンバー、自分が仕切るプロジェクトのメンバー、その他ビジネスパートナーを自分で選ぶとしたら、これは私自身でもきっとそうなる気がしますが、たぶん多くの人が「同じ理念」「似た価値観」「気が合う」という「似た者同士」の条件を重視するのではないかということです。

 これは、実際に起業したての企業などを見ていても、この「似た者同士」で構成されていることがとても多い感じがします。


 「同じ価値観」「同じ指向」「同じ方向性」「共感」などの同一性というのは、お互い気心が知れていて楽ですし、物事は早く決まるでしょうし、特に何かを始めたばかりのうちは、それが効率的で良いのかもしれません。

 ただ、「似た者同士」は、どうしても同じような考えに傾きがちになりますから、考え方の選択肢が少なかったり、仮に間違った判断があったとしても、それをチェックすることができなかったりします。


 そこでは「違う特性」が必要になってきますが、意見の違いが出てくれば議論が必要になり、それはお互いが納得できる許容範囲に収まることばかりではなくなります。考え方を合わせるのに手間も時間もかかりますから、ともすれば意見が違う人を遠ざけたい心理に陥り、結局はまた「似た者同士」だけで物事を進めようとします。しかし、それでは大きな飛躍は望めません。


 これはある会社のお話で、30代前半の起業家がビジネスパートナーとして選んだのは、参入予定の業界での経験が豊富で、経営者の経験もある60才のベテランだったという話を聞いたことがあります。

 自分がその業界のことにそこまでの知識がなく、年齢的にも離れた人の方がそれなりの知見が得られると考えたゆえのことだそうですが、今は順調に業績を伸ばす著名な会社になっています。


 成功している企業を見ていると、ビジネスパートナー選びでは、前に挙げた3つの観点での人材が、バランス良く散りばめられている企業が多いです。

 ついつい「似た者同士」に傾きがちなビジネスパートナー選びですが、成功を手にしたいと思うなら、ちょっと違和感がある人とも組む勇気が必要です。そして、どんな場合でも共通してあてはまる「信頼」こそが、ビジネスパートナーには、やはり一番大事な条件なのだとあらためて思います。


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