小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「会社と応募者の相互理解不足の害」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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会社と応募者の相互理解不足の害

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2014-08-19 08:00

 経営者や人事担当の方々は、せっかく苦労して採用した社員が、短期間ですぐに辞めてしまったという経験をお持ちだと思います。

 

 この大きな原因の一つは、採用時の会社理解の行き違いです。応募者から見れば「初めの話と違う」「思っていたのと違う」ということ、会社からすれば、「もっとできると思っていたのに」「期待はずれだった」などという例がこれに当たります。

 

 会社と応募者それぞれの理解不足ですから、当然双方に問題があります。ただそうは言っても、採用活動の主導権は、一般的に会社側にある場合がほとんどですから、応募者の努力にはおのずと限界があります。

 早期退職に至ってしまうようなミスマッチの原因は、どちらかといえば会社側の情報提供のしかたに問題のあることが多いと感じます。

 

 例えば、「こんな事を知ったら辞退されてしまうのではないか」と、現実をはっきり伝えなかったり、入社の直前直後に状況が変わって、当初の約束と話が違ってしまったり、伝えるべき事項を認識していなかったり、そもそも情報提供の意識が希薄で、純粋に意思疎通が不足している場合などがあります。

 

 いくら言いづらいといっても、肝心なことを隠すのは、後から問題になるに決まっていますし、様々な事情で最初の話と違ってしまったというような場合も、事前に状況変化の可能性を伝えておくことや、話が変わった段階で速やかに誠意を持って話し合うことなどが必要でしょう。

 

 伝えるべき事項を認識していない、意識が希薄というのは、悪気がないためさらに問題で、これは逆の立場でいえば「応募書類が整っていない応募者」と同じことになります。

 自分のことをきちんと伝えようとしない応募者を採用したいと思う会社はないでしょうが、これは応募者側から見ても同じことになります。自社の情報を積極的に提示しようとしない会社には、あまり信頼感が持てないでしょう。

 

 また、「期待はずれだった」というような会社側から見たミスマッチも、情報提供不足が関係しています。

 応募者からすれば、自分にやっていけそうもない仕事、合わなそうな会社に入社しようと思わないのは当然で、入社するということは、少なくとも自分ではやっていけると判断したということです。

 

 その応募者を採用するか否かは、会社側が面接などの選考によって決めることではありますが、もしも会社側がしっかり情報提供をして、お互い会社理解での行き違いを極力少なくできていたとすれば、採用基準に合わない応募者は、たぶん自分の方から辞退していくはずです。自分のことは自分が一番わかっているという面があります。

 

 早期の退職者が出たり、能力の見込み違いがあったりすると、それを事前にどうやって見極めるかという議論になりがちですが、実際の採用活動は、お互いに選び選ばれるという行為です。

 

 いかに応募者を選ぶかということばかりでなく、自分たちのことをより知ってもらおうと努力すれば、「早期退職」も「期待はずれ」もずいぶん少なくなるのではないかと思います。

 

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