小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「任す側と任される側のすれ違い」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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任す側と任される側のすれ違い

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2013-02-25 08:00

 「任せてくれない」と不満を漏らす若手社員がいた時、私は「あなたに任せようと思ってもらうためにはどうする?」と問いかけます。そうやって自分の視点を変えると「相手からの信頼」「これまでの実績」「日頃の行動や態度」など、必要な事が見えてきます。相手は変えられないけど自分は変えられるので、“まずは自分から”という意識はとても大切な事です。

 

 ・・・というような研修をやったりしますが、実際の現場ではこんなキレイ事では終わりません。やはり「任す側」にも問題があります。経営者や上司など「任す側」の意識と、部下や一般社員など「任される側」の思いは、結構すれ違っているものです。

 

 例えば、端から見ても、誰かに任せれば良いと思うような、細かい事務作業をやっている社長さんや管理職の方がいます。なぜ任せないのかと聞くと、あんな理由こんな理由でいろいろ説明されますが、だいたいは「自分が今までやっていたから」という程度以上のことはない場合がほとんどです。

 事務担当者は「本来自分がやるべきだよなぁ」などと思いながら、「そこは社長がやりますので・・・」なんて言っていたりします。(不満に思っているのかあきらめているのかはわかりませんが・・・)

 

 一方、商談の場面などで、現場の営業担当は「最後はトップ営業で決めたい」「一押しフォローしてほしい」などと思っていても、社長や管理者はなかなか出て来てくれないようなことがあります。「そこは俺の出る幕じゃないだろう」などと言ったり、「自分たちで責任を持ってやれ!」などと怒られたりします。

 やたら自分が出て行って抑えるのが大変な人がいるかと思えば、腰が重くて担ぎ出すのが大変というような人もいます。

 

 そもそも任すか任せないかを決めるのは、基本的には上位者ですが、その判断基準があまりよろしくないことがあるように思います。

 本来ならば、「その仕事は任すべき事なのか、任すべき事でないのか」によって判断すべきで、例えば誰がやっても結果に差が出ないような仕事ならば、できるだけコストが安い人に任せるべきだし、同じような仕事でも緊急だが人手が足りない、できる人が他にいないような場合は、上位者であってもそれをやるべきでしょう。部下の経験のため、育成のためというような要素もあるでしょう。

 

 しかしこの判断を、「自分の気になる事か、気にならない事か」や、「やりたい事(得意な事)か、やりたくない事(不得意な事)か」で決めているように思えることが、結構たくさんあります。

 

 “自分が気になる事、やりたい事だから抱え込んで任せない”

 “こだわりのない事、苦手な事だから、それを人にやらせて任せた事にしている”

というような様子をときどき見受けます。

 「自分がやりたいから任せられないと言っているだけ」「やりたくないから任せたことにしているだけ」というようなことです。

 

 これを解決するには、やはり「任す側」の意識が変わる事しかないと思います。組織内での立場が上になればなるほど、「自分ならではの仕事」の比率を上げなければなりません。そのためには任すべき仕事は他人にどんどん任せていかなければなりません。

 

 ただ、「任すべきか、任せるべきでないか」を、自分だけで客観的に的確に判断するのはなかなか難しいように思います。

 そんな時どうするか・・・?

 たまには「任される側」の意見に謙虚に耳を傾けてみることが大事ではないかと思います。

 

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