八納 啓造(建築家)- コラム「サッシと家の耐久性で押さえておきたい話し」 - 専門家プロファイル

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ヤノウ ケイゾウ
( 建築家 )
株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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サッシと家の耐久性で押さえておきたい話し

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省エネ、災害に強いこれからの家造りの知恵 3.耐久性について 2011-08-26 12:11

4.サッシについて押さえておきたいこと


 構造以外で耐久性に影響するものとして、サッシ(外部に面する窓)をあげることが出来ます。サッシは、木製、鉄製、アルミ製、樹脂製、ステンレス製などがあり、最近では、外部がアルミで内部が樹脂で出来た複合サッシもあります。木製や樹脂製は、用途地域によって使えないことも多いので、必ずしも好みのものを使うということは出来ません(準防火地域、防火地域では使えません)。ただ、木製サッシでも製品によれば防火対応のものも出てきたりしています(金額は通常のアルミサッシの3倍ぐらいはします)。また鉄製のサッシは今から30年ぐらい前に流行りましたが、錆の問題などで最近ではほとんど使われていません。ステンレス製に関しては、建築家のなかでもスタイリッシュなデザインをされる方が使うことがありますが、あまり一般的ではありません。

サッシについて、もう一つ押さえておきたいのはガラスです。最近の住宅では、単板ガラスを使うことは随分無くなり、ペアガラスを使う傾向が強くなっています。またガラスも太陽熱を反射するLOW-Eガラスなどもあり、多種多様に富んでいます。家の断熱性自体を高めてあげると、ペアガラスは威力を発揮します。ただ、家の断熱性能が低いままだとペアガラスを採用すると問題を起こす可能性もあります。

具体的に言うと数年前まで、サッシをペアガラスに変えるとガラス自体の結露が無くなるのでリフォームでサッシを入れ替える人が多くいましたが、その時に一つ問題が出ました。それは、サッシの部分で結露しなくなった分、壁内で結露しやすくなったのです。基本的に結露する場合は、家の断熱性能の低さ以外に換気状態が悪く、燃焼系の暖房器を使う場合に多いです。その状態でサッシだけをリフォームすると壁内で結露し、建物の構造に悪影響を与えるのです。

新築の場合は、家の断熱性能とサッシの性能を合わせることは重要です。リフォームの場合も、家の断熱性能に合わせて、考える必要があります。もしリフォームを考えている家で、断熱性能が低いけど、どうしても寒いのでサッシをやり替えたいという場合は、換気をしっかりととることと、燃焼系の暖房器具をやめ、輻射熱暖房系の器具を使うようにするとよいでしょう。



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