八納 啓造(建築家)- コラム「どうすれば将来の耐久性に柔軟に対応出来るのだろうか?」 - 専門家プロファイル

八納 啓造
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八納 啓造

ヤノウ ケイゾウ
( 建築家 )
株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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どうすれば将来の耐久性に柔軟に対応出来るのだろうか?

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省エネ、災害に強いこれからの家造りの知恵 3.耐久性について 2011-08-16 09:00

2.将来のライフスタイルに柔軟に対応出来るか?

 木造の住宅の寿命の一つの要因として「設備の進化や大きさ、容量に対応が出来なかった」というものがあります。これは、思っている以上に影響がありました。例えば、1970年代に建てた家では、2000年時点で、お風呂の大きさや冷蔵庫の大きさ、さらに家電製品の量や電気容量の違いなどが大きく、その当時の家では対応が難しいということもありました。

 また、お風呂をはじめとした衛生設備機器の耐久性は大体20年ぐらいのため、それらの設備をやり替えるタイミングで、大幅な大改修が必要になり、建替えるケースも多く見受けられました。車に例えるのなら中古で買った車にその値段以上の修理代をかけるような感覚です。

 そこで、大切になるのが「将来のライフスタイルに柔軟に対応出来るかどうか?」というポイントです。例えば、設備機器を入れ替えが容易かどうか?メンテナンスを重ねることで寿命を延ばす形が取れるか?改修するときに容易にしやすいか?間取りを容易に変更しやすいか?などが具体的に考えることが出来ます。

 木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など構造的な特徴がそれぞれにありますが、どの構造でも上記の視点をはじめから組み込んで設計しておけば、対応も可能です。住宅の場合は、1階の床下空間や2階などに設備機器がある場合は、それらを落とすパイプスペースなどが将来メンテナンスしやすいようにすることも重要です。

 鉄筋コンクリート造の場合は、1階の床下がなく土間空間にして設計するケースも多いですが、個人的には土間空間の下に配管を埋めてしまうのではなく、床を組んでその下のスペースに配管を転がすことをお薦めしたいと思います。
私のオフィスでも将来のメンテナンスが容易に出来るための工夫や将来のライフスタイルを想定して、構造の壁とそうでない壁を使い分けたりという工夫をしています。これからの家造りでは外せない要素と言えるでしょう。

そしてこれからの時代は、供給エネルギーに依存しない「スマートハウス」がどんどんと増えてくるでしょう。太陽ソーラーや蓄電池を組み込んだ家というのは、またこれまでの家から大きくシフトした空間が必要になる可能性もあります。そういったところまで含めた空間計画も大切になるでしょう。

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