腎不全、ガンによる食欲不振

ダックスフント以外のリンパ腫になったワンちゃんの予後は、よく頑張ってくれて大体2年くらいと言われています。化学療法(制癌剤投与)も急性期から、維持期、増悪期の療法と分かれていて、これまでワンちゃんも、げんくんさんも、動物病院も頑張って来られたのだと思います。しかしながら、次第にどの化学療法にも反応しなくなり、部分寛解(とりあえず血液状態が改善し、症状が治まること)が得られなくなってしまいます。病院としましては、これまで使ったことのないプロトコールで寛解を試みようとしますが、そのプロトコールの数も限られたものでしかありません。こんなとき私達が飼い主さんにお話しするのが、活性リンパ療法です。非常に高価な治療で、その上、限られた施設でしか実施していませんし、獣医疫学的にエビデンスを持った療法ではありませんので、試してみるという事になります。げんくんさんのワンちゃんもそれまでなさって、きっとこれまで延命されてきたのでしょう。
現時点では、動物病院も、打つ手の持ち駒がなくなってしまった状態だと思います。ここまで来ますと、なかなか動物たちは御飯を食べてくれません。何とかと思って、流動食を流し込んだりしますが、すでに消化管が受け付けなくなってしまっていたりして、下痢や嘔吐を誘発し、反って状態を悪くしてしまうこともありますので、慎重に、慎重に対処していかなければいけません。当院ではよく、冷やしたシュークリームの中身をあげたりしていますが、これは口当たりが良くて、硬さもちょうどよくいいみたいです。よくお掛かりの病院の意見をお聞きになってみて下さい。

今の状況はかなりつらい状況だと思います。おそらくすべての食事を受け入れることはないでしょう。しかしなにかないかというと、現実的にはお肉類よりはのどごしの良い糖分の方が食べやすいと思います。実は腫瘍には糖分はよくありません。よくないというのは腫瘍の栄養源は糖分だからです。
そのことを除けば、カステラのような卵を多く使った物を牛乳が好きならそれに浸して少しずつ口に入れるとか、卵を使ったプリンなどもじん不全の子が食べることはよくあります。
あとは無理やりになってしまいますが、鼻から栄養チューブを入れてもらいそれで給餌するという手もありますが、嘔吐があるようでしたらどの方法もよくありません。
食べないのが抗がん剤のせいなら、薬で食べれるようになる可能性もありますが、じん不全や抗がん剤のダメージだとそれが回復しないとかなり大変です。
どうぞ少しずつ食事を上げてみてください。大変だと思いますが、頑張ってみてください。

今のような状態であるのならば、現在行われているように皮下点滴か静脈点滴と注射を続けて、少しでも苦痛を和らげてあげるのが良いと思われます。
また食べ物は好んで食べてくれて、消化が良く、吐いたり下痢をしないのならばなんでも良いと思います。
クリームやマヨネーズは理想的な食べ物ではないので十分注意をし、嘔吐や下痢がみられたら中止してください。
主治医の先生とコミュニケーションをよくとり、より良い治療を行っていってください。