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特定支出控除の副業先への申請

スキル・資格 ビジネススキル 2017/03/14 02:04

特定支出控除(研修)の申請をしたいのですが、本業の方では、なぜだか認められず、副業先で印をもらい、申請をしたいと考えています。
しかしながら、副業に関しては20万以下の所得につき、特段確定申告等行ったことがなく、必要な明細等も無い状況です(本業はあり)。
こういった場合、上記方法での申請は難しいでしょうか?
ご回答頂ければ幸いです。

ちぱさん デバイスステータス ( 東京都 / 女性 / 35歳 )

回答:1件

小松 和弘 専門家

小松 和弘
経営コンサルタント

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副業先申請は研修の職務直結と証明の要件確認が特に重要です

2026/02/23 17:59 詳細リンク

ちぱ様、このたびはご相談をお寄せいただきありがとうございます。

研修費で「給与所得者の特定支出控除」を使いたいものの、本業の勤務先が証明(押印)に応じてくれないため、副業先で証明をもらって申告できないか検討されているのですね。あわせて、副業は所得20万円以下で、これまで確定申告や明細作成をしていない点もご不安、という状況だと理解しました。

まず制度の前提を整理します。国税庁の説明では、特定支出控除は、特定支出の合計が「給与所得控除額の2分の1相当額」を超える場合に、その超える部分を確定申告で控除できる制度です。研修費として対象となり得るのは「職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)」とされています。
そして最も重要なのが証明要件で、国税庁は「その支出がその方の職務の遂行に直接必要なものであることについて給与の支払者またはキャリアコンサルタントによって証明がされたものに限られます」と明記しています。さらに、控除を受けるには確定申告が必要で、「特定支出に関する明細書」「給与の支払者またはキャリアコンサルタントの証明書」に加え、領収書等の証拠書類を添付(または提示)することが求められます。

(参照)国税庁タックスアンサー No.1415「給与所得者の特定支出控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm

今回のケースで「副業先に印をもらって申請する」方法が成立する可能性があるのは、次の2点が揃う場合です。
一つ目は、研修が「副業の職務の遂行に直接必要」と説明できること。二つ目は、副業先が「給与の支払者」として、その直接必要性を証明できることです。
つまり、「本業では押してもらえない研修」を、理由づけが弱いまま副業先の押印だけで通す、という形になってしまうと、制度の中心要件である「職務への直接必要性」の説明が崩れやすく、結果として要件充足が難しくなる可能性が高いです。

説明が立ちやすい例として、研修内容が副業の「日々の作業そのもの」に直結しているケースがあります。たとえば副業が雇用での経理補助(請求書確認、仕訳入力、消費税区分の判定)で、研修がインボイス制度・消費税の実務研修(適格請求書の確認方法、仕入税額控除の判断、税区分の実務処理)の場合、「請求書の適否判定や税区分の判断は職務の中核であり、研修で扱う内容がそのまま日常業務の判断基準・処理手順になるため、職務遂行に直接必要」と説明しやすいです。
一方で説明が苦しい例として、研修が「汎用的なスキルアップ」に寄っていて、副業の職務と結びつけると飛躍が出るケースがあります。たとえば副業が雇用での一般事務(電話対応、データ入力、備品発注)なのに、研修がプロジェクトマネジメント研修(PMBOK等)だと、「将来的に役立つ」は言えても、現に担当している入力・庶務業務の遂行に「直接必要」とは言いにくく、直接性の説明が苦しくなります。

また「副業先の押印で進めるには、副業が給与所得である必要がある」点を補足します。特定支出控除は給与所得者向けの制度であり、証明者として想定されているのは「給与の支払者」です。副業が業務委託(フリーランス)で、収入区分が事業所得・雑所得となる形だと、相手先は「発注者」であって「給与の支払者」ではありません。この場合、「副業先に印をもらう」ルートそのものが制度の枠組みに合いにくく、成立しにくい整理になります。
なお、副業が「給与所得(雇用)」に当たるかどうかは、副業先から「給与の源泉徴収票」が交付される形かで概ね判別できます。業務委託(報酬)の場合でも源泉徴収が行われることはありますが、その場合は通常「給与の源泉徴収票」ではなく支払調書等の扱いになります。まずは、副業先が給与として支払っているか(「給与の源泉徴収票」が出るか)をご確認ください。
一方、勤務先証明が得られない事情があり、かつ研修の性質によっては、国税庁が示す「キャリアコンサルタントによる証明」という選択肢を検討できる場合があります。厚生労働省も、キャリアコンサルタント証明に関する案内や相談窓口を示しています。

(参照)厚生労働省「特定支出控除制度におけるキャリアコンサルタントによる証明制度」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/tokuteishishutsukojo.html

次に、実務面です。副業の所得が20万円以下で、通常は確定申告をしないケースであっても、特定支出控除の適用を受けたい場合は、控除を受けるために国税庁の案内どおり確定申告を行う必要があります(控除を取りにいく場合は申告する、という整理になります)。準備として現実的に大事なのは、「副業の帳簿がない」ことよりも、研修費についての(1)証明、(2)証拠書類、(3)明細書の3点を揃えることです。具体的には、研修の領収書や支払記録、受講内容が分かる資料(カリキュラム等)、そして職務への直接必要性を証明する書類が中心になります。

もし副業先での申請が難しそうであれば、本業側で改めて可能性を探るのも一つの現実的な手です。会社が押印しやすくする工夫として、研修の案内資料(カリキュラム)に加えて、「担当業務のどの部分に、研修のどの項目が直結するか」を短く整理した資料を添えると、判断が進むことがあります。それでも難しい場合は、研修の性質次第でキャリアコンサルタント証明を含めた別ルートをご検討ください。

最後に、公的な相談先です。制度要件や申告手続の確認は国税庁の電話相談、キャリアコンサルタント証明の相談は厚労省側の窓口が入口になります。

(参考)
国税庁 電話相談センター
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm

厚生労働省 キャリア形成・リスキリング相談コーナー
https://carigaku.mhlw.go.jp/icc

ちぱ様が、研修内容と職務との結びつきを整理し、いちばん筋の通るルートで申請できるよう応援しています。
無理のないところから一つずつ整えていきましょう。

給与所得
事業所得
税額控除
副業
源泉徴収

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小松 和弘
小松 和弘
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