対象:新築工事・施工
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新築計画中です。
家族に、強いアレルギー体質の者がいる為、シックハウス対策を慎重に進めています。
木造在来工法 漆くい 無垢の木材 造作家具 造作ステンレスキッチン 在来浴室 の計画をしています。
また、ホコリやカビにも気を使い、清掃のしやすさを求めています。
ユニットバスの化学物質の心配から、在来浴室をと思っていましたが、在来浴室は『間接排水』と知りました。
現在、マンションのユニットバスは、浴槽の下に水受けがあり、そこに水が入り込み(前面パネル脇の隙間や排水溝からの逆流で)、じめじめと水あかがたまったり、カビたりします。
戸建用にユニットバスは、直接排水で浴槽の下はこのように二重になっていないものがあります。
ユニットバスの小さな排水溝でさえ、あれだけ汚れるのに、在来工法の浴室で、浴槽下に排水した水をためる構造、どうなるが想像は簡単です。こればかりは、絶対に避けたいと思っています。
在来工法の浴室で、ユニットバスのように直接排水する方法はないのでしょうか?
もし、法律で決まっていて、在来浴室は間接排水の他に方法がないのであれば、冒頭のシックハウス対策を満たす、浴室の作り方を教えていただければとお願いします。
03292010yukiさん ( 東京都 / 女性 / 55歳 )
回答:3件
間接排水に関する法律の規定はありません。
在来の浴槽の排水が、直接排水になっていないのは、浴槽の下の枡へ一気に汚れた水を落とすためです。直接排水管を接続して水を流すと間接排水の倍くらいの時間が掛かります。
排水時間さえ我慢出来れば直接排水しても何の問題にもなりません。間接排水のデメリットはまだあります。
下水の悪臭が上がってくる事です。通常は封水するためトラップを設けますが、浴槽の下の枡はメンテナンスの出来ない「地獄」になっていますので、「詰まり」の元になるトラップを設けることが出来ません。その為排水が終わればしっかりと栓をしなければ悪臭が上がってきます。
浴槽の栓は水を抜くためにあるだけではなく、悪臭が上がってこない様にする為の栓でもあるのです。つまり、清潔な部分と汚れ放題の部分を栓で区画しているのです。
間接排水の考え方は、浴槽の下の枡は屋外にあるインバート(汚水会所)と同じ扱いです。つまり浴槽の下の枡まで手入れすることは考えていないのです。
路地にある雨水会所やインバートの手入れはどの位の間隔でされるのでしょうか?通常は排水詰まりでも発生しない限り開ける事もないのではないでしょうか。
手入れの出来ない「地獄」が浴槽の下にあるのは気持ちの悪い話しですが、使い方さえ間違わなければ、実生活には何の支障もありません。
在来浴槽で直接排水しても、法的には何の問題もありませんが、トラップを設けて直接排水したからと言って、特に清潔になるわけでもありません。直接排水すれば排水口にトラップを設ける事が出来て、悪臭が上がるのを防げますが、トラップではゴキブリの侵入を防ぐことは出来ません。ゴキブリの足にカビの胞子がついていますので、あちこちでカビを撒き散らしながら動き回るでしょう。直接排水にしてもしっかりと栓をするに越したことはありません。
生活な空間と汚れても良い空間をどこで仕切るかを考えて、家の手入れがし易いと思う方法で家造りを考えれば解決策が見えてくるのではないでしょうか。
評価・お礼

03292010yukiさん
2013/07/05 19:21お礼が遅れ申し訳ありませんでした。
これだけ横行している現状を、『手入れの出来ない「地獄」』と、表現してくださり気持ちがすっきりしました。
そして、『生活な空間と汚れても良い空間をどこで仕切るか』のアドバイスにハッとさせられました。
家作りにおいて、これからも多くの決定をしてゆかなければなりませんが、潔癖主義や自己満足な思い込みやこだわりをどこで仕切るかで、自分の気持ちの整理ができそうです。
ありがとうございました。
回答専門家

- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
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木造住宅が得意な建築家。
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在来浴室の直接排水
横浜駅そばで設計事務所を開設している建築家です。
浴槽の直接排水には二つの問題を考えなければいけません。
1) トラップの構造
2) 接続の方法や機器
1)のトラップですが、下水道につながる管に直接つなぐという事は、悪臭や害虫、場合によっては汚水の逆流といった問題が発生します。
ですので、例えば上水と下水を直接つなぐことはクロスコネクションといって禁止されています。(通常そのような場所はありえませんが)
排水経路において逆流阻止は難しいし滅多にないので対策はあまりないのですが、悪臭や害虫対策としてはトラップというものを設けます。
トラップは管をS字やP字にしたり椀形の形状をつくって溜まり水をつくる場所のことです。この水は封水と言って、悪臭や害虫が侵入するのを阻止する蓋のかわりになります。
長い間水を流さないと封水が蒸発して悪臭などがする事があります。
SやP字のトラップは管を曲げているだけですが、椀トラップは場合によっては汚れが詰まる事があるので点検できることが望ましいです。
2)の接続方法と機器ですが、ユニットバスで浴槽も一体成形しているものは直接排水になっていますが、浴槽を置くものは間接排水になっている事が多いです。
在来浴室の場合、浴槽を置いた状態から接続するには為に人の手が入るスペースがほとんどありません。また、浴槽は配管を接続するような構造にはなっていません。
椀トラップなどを作って、その上に置いたら、とも考えられますがその場合にはトラップの清掃が不可能になります。
不可能ではありませんが、上記をクリアした形で直接排水の在来浴室にするのであればかなり慎重に構造を検討して設計しなければいけないと思います。
その辺がわかる設計事務所にご相談される事をおすすめします。
評価・お礼

03292010yukiさん
2013/07/05 18:53お礼が遅れ申し訳ありませんでした。
とてもていねいなアドバイスをありがとうございました。
自分としては、直接排水は「当然」でしたが、こんなにイレギュラーで難しいという事に驚きました。
設計者に相談し、工務店選びの際も慎重にいたします。
ありがとうございました。
回答専門家

- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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島崎 義治
建築家
-
直接排水で!
ぜひ、健康な本物のお住まいを計画してください。
間接排水ですが、私もそのような工法を考えたことがありません。
檜や槇の和風の浴槽を設置する場合には(あるいは猫脚の優雅な浴槽を床上に置く場合には)間接排水となりますが、ただ、取り外しができるようにし、定期的に清掃できるようにしておく必要があります。浴槽の乾燥も必要ですしね。
しかし、流布している間接排水は現代の浴室の設計においてはあまり良い仕様とは言えません。実際に電子制御や照明が組み込まれているバスタブでは間接排水を禁じている例もあります。
基本は直接排水と考えた方がよいと思います。
その場合は、
1)防水性能、特に床防水とバスタブとの接点に注意を払い、完全に防水を行うこと。
2)バスタブをセットした後の配管工事を行うためのピット(高さ60cm以上は必要と思います)を確保すること。ピットへ入るための床点検口ももちろん必要となります。
住宅の建設は古い慣習的な部分の多い分野です。時代の趨勢に合わせて、改めてゆくべきと思います。
yukiさんの考えていらっしゃる健康な素材においてもそれらを阻害する慣習的な考えが多く存在すると思います。ぜひ、それらと格闘し、よりよい本物のお住まいを作ってください。
応援いたします。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼

03292010yukiさん
2013/07/05 19:32お礼が遅れ、すみませんでした。
丁寧なアドバイスをありがとうございました。
もともと床下が相当高い作りの予定ですので、なんとかいけそうな気がします。
「住宅の建設は古い慣習的な部分の多い分野です。時代の趨勢に合わせて、改めてゆくべきと思います。」
建築家さんご自身が、悪しき慣習と表現され、今までの報われない気持ちが晴れました。
自信をもって、今担当している設計者に提案したいと思います。
ぜひ、嶋崎先生も在来風呂の直接排水を取り入れてみて下さい。
ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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