対象:経営コンサルティング
外食関係の会社の経営企画部の者です。事業拡大のため人員も増えつつあります。そこで今一度、会社の「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を策定し、社内に浸透させたいと考えています。どのような構築方法&浸透させるための案がありますでしょうか。ご指導ください。
doraemonbanzaiさん ( 東京都 / 女性 / 38歳 )
回答:6件
平易でもいい。主語を明確に描きましょう
ご質問ありがとうございます。
経営企画の実務経験者としてお答えします。
会社のビジョンをイチからお作りになるのであれば経営者様との話し合いを
おすすめします。
社内に掲げるなんらかのビジョンがおありなのであれば、それを価値(バリュー)に繋げる
翻訳に挑戦しましょう。
バリューの主語は顧客です。
外食産業ということでしたので、顧客は広く見た方がいいでしょう。
来店されるお客様個々だけではありません。
来店されたお客様にどう感じてもらい、それを流布していただきたいのか?
までをイメージしてくれるといいですね。
つまり、来店されたお客様のご家族やお友達にも価値を感じてもらいたいと
思うのが自然でしょう。
「おいしい」は外食産業にとっては当たり前に求められることなので
その「おいしい」はどのような「FUN」や「HAPPY」を生み出すのかまで
イメージすると広がりやすくなるかと思います。
ミッションは「使命」ですから、その価値を追い続けるためのお約束ごとを
決めればいいのです。
・ビジョンは将来を含む求める姿(自社主語)
・バリューは常に追い求める姿(顧客主語)
・ミッションは常に求める姿(自社主語)
浸透させるための方法は
・覚えさせること
・常に求めるマネジメントをすること
これに尽きます。
ビジョンがビジョン倒れに終わるのは言葉遊びだったり、マネジメントに
落ちていないことから起こります。
平易な言葉でかつ、誰もがイメージできる姿を作ってあげましょう。
部門や店舗へ活かすのは企画側の仕掛けの網の目で決まります。
がんばって下さい。
回答専門家
- 辰巳 いちぞう
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- 株式会社SGOソリューションズ
今すぐやれることから、企業のリソースを活かした営業支援を実行
営業支援(戦略・戦術の設計から実行・検証)を切り口に、人材の成長と強い組織づくりのトータルソリューションを提供しています。提案や研修という行為をゴールにするのではなく、実行後の「成果」に徹底的にこだわり、企業の成長をバックアップいたします。
藤田 信之
経営コンサルタント
-
「ビジョン」「ミッション」「バリュー」の策定と浸透
ビジョン・ミッション・バリューとても大切な”コト”ですね。
まず”企業理念”を振り返って見てください。理念の土台の上
にビジョンがあります。ピラミッドの最下層である理念を共有
することから始める必要があります。これが構築のスタートだ
と考えます。
”企業の存在意義”と置き換えても良いでしょう。
浸透にはそれぞれの価値観が重要です。人は入社前、入社後と
さまざまな価値観を持って今に至っています。価値観の違いは
”コト”に解釈を変えていきます。
よって定期、不定期に”対話”をすることがとても大切です。
対話によりこの人はこういう”解釈”をするのかということ
を知る必要あります。
注意しなければならいのは、メールや朝礼などで一方的に伝える
と逆効果になることがあります。常に対話によるフォローを入れ
るようにしてください。
悠木 そのま
ブランドコンサルタント
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創るのではなく、生まれるもの
竹谷さんのご助言に共感しつつ、コメントを差し上げております。
まず、カタカナ文字を使う時には、日本語の辞書と原語の辞書
両方をお調べになることをお勧めいたします。
分かっているような気がする言葉ほど、辞書をひいてみると
実は、分かっていなかったことに気づかされます。
もちろん、すでに、辞書はひかれたかもしれませんが
万一、まだのようでしたら、ここからスタートされては如何でしょうか。
次に、これらの策定を経営者や上司から依頼されたのであれば
依頼主が、それぞれをどのような意味と意図で使っているか
ご本人に確認し、対話をして、意味を共有してくださいませ。
人々は、同じ言葉を違う意味で使うことが多く
そのために、会話や会議がかみあっていないシーンをよく見かけます。
依頼されたのではなく、ご自身が上申するおつもりなら
明確に説明できるよう、考えを深められるとよいかもしれませんね。
私のビジネスパートナーである高野登氏はご存じのとおり
元ザ・リッツ・カールトン・ホテル&カンパニー(RC)の日本支社長で
知る人ぞ知るの「クレド」の実践者、伝道者でもあります。
クレドとは、「信条」という意味をもつラテン語であり
RCのクレドにはお客様への約束がつづられています。
RCでは、クレドを実践するために、全従業員が毎日
15~20分のラインナップ(ブリーフミーティング)を開き
内容を確認し合っている、というのも有名な逸話です。
高野さんが言うには、クレドは創られたのではなく
生まれてきたのだそうです。
創業時のクレドは創業者たちが
数年前に改定されたクレドは改定を担当した社員たちが
話し合いを重ねるうちに自然に、必要な言葉が残ったのだそうです。
経営陣との対話になるのか、策定委員メンバー間の対話になるのか
両方なのか、いずれにしても、これまでの企業活動の意味合いを
社会への貢献という視点で語り合えば、そこからミッションが生まれ
今後、めざすしていきたいイメージを語り合えば、ビジョンが生まれ
お客様へ価値する価値を他社との差別化という視点で語り合えば
そこからバリューが生まれてくることになります。
ぜひ、策定の要として、上から下までの様々な方々と対話をなさり
創るのではなく、生まれてくる言葉を大切にすくいあげては如何でしょうか。
補足
蛇足ながら、「企業ビジョン策定プランニングガイド」という
策定マニュアル本がかつて発行されていました。(1992年/JMAM)
ビジョンをつくるのが流行った頃の分厚いマニュアル本です。
現在、amazonでは取り扱わなくなっているようなので
図書館で探されると、何かしらのヒントを得られるかもしれません。
福岡 浩
経営コンサルタント
-
策定以上に浸透が難しい
業務改善創研の福岡です。
ご回答された専門家各位の回答内容はどれも大変分かりやすく的を得ていて、私自身も参考なりました。
さて、策定に関しては専門家の方々にお任せして、問題は策定した後の「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を社内に浸透させる具体的な方法ではないかと思います。実際に私がコンサルティングに関わった会社の例を申し上げます。
会社の企業理念や経営方針などを職場の朝礼で唱和している会社は数多く見受けられますが、それで果して社員、従業者に浸透しているのでしょうか。暗記はできたけれど、理解し行動に反映できる状態ではないことは容易に分かります。
そこで、朝礼では、この「ビジョン」「ミッション」「バリュー」などに基づいた行動ができたかどうか、具体例をあげて社員に発表してもらうようにします。例えば、「顧客第一主義」を掲げている会社はたくさんありますが、社員が担当する業務の中で実際に行った「顧客第一主義」を意識して行動した事例を話してもらいます。会社のビジョンやミッションが理解できるとは、その行動に現われることです。
次に半期に一度の個別面談において、個々の社員のキャリアプランなどに会社のビジョンやミッションなどの達成目標を掲げてもらいます。その達成度を半年後に検証するという仕組みです。
策定した「ビジョン」「ミッション」「バリュー」も見直し修正があるかもしれませんが、浸透方法は常に見直しと改善が必要です。また、第三者的な視点で、その浸透具合を測ることも必要ではないかと思います。外食関係であれば、覆面調査などの実施、さらには「ビジョン」「ミッション」「バリュー」の浸透を促進するための研修などが考えられます。
工藤 英一
経営コンサルタント
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お客様が自社の本来の姿を教えてくれます。
1.つぶれそうになって理念を作る
明治2年創業、日本の教授たちに本(知識)を提供し続けてきた会社が、多角化で赤字化していき、方向を見失い、つぶれる寸前までに来たときに、ぎりぎりで理念を再構築したのです。
1)ミッション:社会における役割・存在意義 「知を鐙す 丸善」
2)ビジョン:3年後に目指す姿 「もう一度、丸善になる」
3)価値観:バリュー:経営陣・従業員全員が共有し大切にする考え方
「知に生き、人間を信じる」
2.丸善の理念の作成方法
・全従業員にアンケート配布。
・役員全員が、すべてのアンケートと従業員ディスカッションで書かれた模造紙を見る。
・お客様にヒアリングする。
・自らの心に響く言葉を選び抜き、「丸善」を表現し、発表し経営理念を作成し小冊子にする。
・新経営理念を発表する。
・会議室、オフィスフロアなど丸善社内の様々な場所に掲げられ、社内外の人々の目に触れるようにする。
3.お客様の声の例
「昔の営業マンは、図書カード一枚で2時間も話せた。一枚の図書カードを皮切りに、そこから話題が広がっていくんだ。そこには知性の世界が広がっていた。その時間はとても楽しいものだったね」 (大学経営層)
「昔はやはり文化を売っていますというプライドを持っていた。学問のジャンルごとの風が、営業が来ると感じられた。扉が開いた瞬間にその風を感じさせてくれる人がいた」 (大学経営層)
「もう一度丸善になる」というのは、3年後には「丸善は知や文化を運んでいた」という、本来の姿に戻るという意味です。
この忘れていた、自社のあるべき姿を思い出させてくれたのはお客様です。
お客様に聞いたからこそ思い出すことが出来たのです。
ミッション、ビジョン、バリューを作り上げるとき、役員と企画部だけで作ることは不可能です。役員、社員、お客様全員から意見や感想や評価をいただかないと、本当に自社のあるべき姿が見えてこないからです。
詳しくはこちら
by Qualia-Partners 工藤英一
(現在のポイント:3pt)
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