対象:経営コンサルティング
工藤 英一
経営コンサルタント
-
お客様が自社の本来の姿を教えてくれます。
1.つぶれそうになって理念を作る
明治2年創業、日本の教授たちに本(知識)を提供し続けてきた会社が、多角化で赤字化していき、方向を見失い、つぶれる寸前までに来たときに、ぎりぎりで理念を再構築したのです。
1)ミッション:社会における役割・存在意義 「知を鐙す 丸善」
2)ビジョン:3年後に目指す姿 「もう一度、丸善になる」
3)価値観:バリュー:経営陣・従業員全員が共有し大切にする考え方
「知に生き、人間を信じる」
2.丸善の理念の作成方法
・全従業員にアンケート配布。
・役員全員が、すべてのアンケートと従業員ディスカッションで書かれた模造紙を見る。
・お客様にヒアリングする。
・自らの心に響く言葉を選び抜き、「丸善」を表現し、発表し経営理念を作成し小冊子にする。
・新経営理念を発表する。
・会議室、オフィスフロアなど丸善社内の様々な場所に掲げられ、社内外の人々の目に触れるようにする。
3.お客様の声の例
「昔の営業マンは、図書カード一枚で2時間も話せた。一枚の図書カードを皮切りに、そこから話題が広がっていくんだ。そこには知性の世界が広がっていた。その時間はとても楽しいものだったね」 (大学経営層)
「昔はやはり文化を売っていますというプライドを持っていた。学問のジャンルごとの風が、営業が来ると感じられた。扉が開いた瞬間にその風を感じさせてくれる人がいた」 (大学経営層)
「もう一度丸善になる」というのは、3年後には「丸善は知や文化を運んでいた」という、本来の姿に戻るという意味です。
この忘れていた、自社のあるべき姿を思い出させてくれたのはお客様です。
お客様に聞いたからこそ思い出すことが出来たのです。
ミッション、ビジョン、バリューを作り上げるとき、役員と企画部だけで作ることは不可能です。役員、社員、お客様全員から意見や感想や評価をいただかないと、本当に自社のあるべき姿が見えてこないからです。
詳しくはこちら
by Qualia-Partners 工藤英一
(現在のポイント:3pt)
この回答の相談
外食関係の会社の経営企画部の者です。事業拡大のため人員も増えつつあります。そこで今一度、会社の「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を策定し、社内に浸透させたいと考えています。どのような構築方法&浸透させるための案がありますでしょうか。ご指導ください。
doraemonbanzaiさん (東京都/38歳/女性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A