対象:労働問題・仕事の法律
都内で派遣社員として働いているものです。
この度「地震・津波の影響による停電・放射能の不安から従業員は自宅待機」となりました。会社全体での判断というよりは各部署での判断によるものです。
状況としては
・勤務先は停電区域から除外されている
・放射能漏れによる避難指示などは国から出ているわけではない
・地震・津波による事業所の倒壊・損傷はなし
・通勤は可能
このようなケースでは、休業手当の保障には該当しないのでしょうか?
天災による(雇用主(派遣先)の責に帰さない休業)では、休業手当に該当しないとの理解ですが、客観的に派遣先の自主判断によるものであれば、会社都合とみなされる気がしてなりません。
法的にはどういった扱いになるのか、ご教示ください。
よろしくお願いします。
kon4405さん ( 神奈川県 / 女性 / 35歳 )
回答:2件
渡邉 勝行
社会保険労務士
1
休業手当
kon4405さん、こんにちは。
特定社会保険労務士/行政書士の渡邉勝行といいます。
具体的には、個々に判断されることとなると思いますが、
次のような通達がでています。
http://www.lcgjapan.com/pdf/kikanh230315.pdf
今後、厚生労働省のホームページにも掲載されると思いますので、
ご参考にしてみてください。
なお、派遣社員の方の雇い主(使用者)は、派遣元企業となります。
そのため、原則として、派遣元が休業手当を支払うこととなります。
評価・お礼
kon4405さん
2011/03/17 10:28早速のご回答ありがとうございました。
休業手当は派遣元が支払うのですね。知らなかったです!
厚生労働省からの通達もありがとうございました。大変助かりました。
渡邉 勝行
2011/03/17 15:44kon4405さんへ
ご評価ありがとうございます。
休業手当も賃金であり、賃金は、派遣元が支払うこととなっています。
また、あくまでも「休業手当を支払う場合には」といった意味のものであり、
今回のkon4405さんの場合に、必ずしも「休業手当」を支払う場合に該当するか否かは個別具体的に判断されます。
さらに、このことを理由に「派遣契約の解除」となった場合、「休業手当」の問題ではなく、「解雇」の問題となってしまいます。また、「契約期間の満了」として処理するといった場合も考えられますので、ご注意ください。
角森 洋子
社会保険労務士
4
計画停電区域外での休業には休業手当支払い義務があります。
● 計画停電中の休業について
労基法26条は、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中に当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と規定しています。
天災地変等の不可抗力によるよる場合は「使用者の責に帰すべき事由」にはならないので、
計画停電実施中の操業・営業不能を理由とした休業は、事業主の関与範囲外の事由によるものと判断され、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しないと考えられます。
厚労省も通達「計画停電は実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて」
http://www.lcgjapan.com/pdf/kikanh230315.pdf
で休業手当の対象外となるということを明言しています。
●ご質問の場合は計画停電区域外なので、労基法26条が適用され、会社(派遣元)は休業手当支払いの義務があります。
補足
特定社会保険労務士・労働衛生コンサルタント 角森洋子
評価・お礼
kon4405さん
2011/03/17 10:32明確なご回答ありがとうございました。
休業手当支払いの義務があるとのこと安心しました。
厚労省からの通達があることが分かったので心強いです。
同僚の派遣社員にも早速伝えます。
ありがとうございました!
角森 洋子
2011/03/17 11:50追加解説
「休業手当支払い義務あり」という判断は、ご質問の情報によるものであり、他に今回の震災による使用者の責に帰すべきでない事情があれば判断が変わる可能性があります。
派遣労働者が、派遣先から自宅待機を命じられた場合、派遣元は別の派遣先を用意する必要があります。別の派遣先を用意できない場合に休業させるということになり、その理由が「使用者の責に帰すべき場合」であるときは、休業手当の支払が必要となります。
派遣元が派遣先に支払った休業手当を請求することが可能か不可能かは、派遣元と派遣先との派遣契約によって決まります。
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