対象:住宅設備
現在、新築を計画しているのですが、このサイトの中で、銅製の水道管を敷設することがコラムで掲載されていました。
銅製の水道管には、銅の殺菌力と耐久力が高いため、欧州ではかなり普及しているとの内容に大変興味をもったのですが、日本における住宅では実際どれくらい敷設しているのでしょうか?
また、施工する工務店に銅製の水道管を敷設したいと伝えれば施工してもらえるものなのでしょうか、また、費用は通常の水道管を敷設したときと比較して、どれくらい高額なものになるのでしょうか?現実的なのでしょうか?
よろしくお願いします。
大祐さん ( 福岡県 / 男性 / 39歳 )
回答:1件

小舘 一城
住宅設備コーディネーター
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日本国内では給水管に銅管使用はごくまれです。・・が使用可能です。
はじめまして、秀衛設備設計一級建築士事務所の小舘です。
西洋では給水管に銅管が使用されているケースは確かに80%以上は使われています。
日本では給湯管、空調の冷媒管、ガス配管等によく使われていますが、一般住宅の給水管ではあまり使われていません。(・・・・でした。)
これは上水道の供給自治体の使用材料の規制で道路内の配水管より宅地内から屋内給水栓までの管種はその自治体である程度決められていたせいです。しかし10年程前この規制が大幅に緩和され宅地内の給水管の使用材料はこの自治体の規制を受けなくても良いということになり、銅管の使用も可能です。・・・が誰でも勝手に選んでいいということではありません。水道法で専門知識を有する「給水装置工事主任技術者」が施主の意向を汲んで選定する義務があります。当然工務店には専属の水道業者がいるはずで、自治体の指定給水工事店であれば当然上記主任技術者がいるはずです。水道業者の主任技術者さんにご自身の希望を伝え検討してもらうのが最善だと思います。
ここで検討すべき点は銅管はJISH3300の規定で数種類あり埋設に向くタイプ、壁埋め込みに向くタイプなどありますので主任技術者さんに相談して決定された方がいいと思います。
ちなみに施工費は通常埋設管で使用する「耐衝撃性硬質塩化ビニル管」、屋内で使用する「ポリブデン管」などと比べるとその保温材加工、継手接続方などで若干高くはなるかと思います。
補足
日本での給水管で銅管使用を国内の自治体の規制の歴史があるという点での回答です。
銅管自体の長所は環境ホルモンと無縁で優れた抗菌作用があり、緑青の毒性も完全に否定さています。これらの長所を認め札幌市の他数自治体では推奨している自治体もあるようです。長所、欠点はネットで調べられたら納得できると思います。
水道供給自治体の規制ですが配水管からメーターまでは依然として材料の規定がありますので詳しくは給水装置主任技術者さんに確認してください。
評価・お礼

大祐さん
ご回答頂き感謝申し上げます。
申し訳ありませんが、もう少し質問させて下さい。
「配水管からメーターまでは依然として材料の規定があります」とのことですが、規制される背景は何でしょうか?また、銅管には長所しかないようなイメージでしたが、短所とはどういったものなでしょうか?ご存じの範囲で結構ですので、ご教示頂けると幸いです。
よろしくお願いします。

小舘 一城
まず、配水管から水道メーターまでの管種の規定ですが、これはこの間での漏水があるとなかなか発見が難しく、なおかつ水道料金に反映されない、水道メーター以降の漏水は水道料金に反映され発見しやすいという点(笑い)、また道路内給水管は車輌通行等の衝撃に耐え得る材質が要求されますので依然として水道供給自治体での管種の規定があるようです。ちなみに東京都ではフレキシブルステンレス管、他自治体では水道用2種ポリエチレン管(肉厚)
での規定があるようです。次に銅管の埋設での問題点は銅管は肉厚が薄く衝撃に弱いという点、また継手接続が「ろう付け」という手段での接続方法で熟練を要す点、また埋設の保温をどう対処するか、断熱材で被服済みの銅管もありますが継手接続部の再保温が難しい点などがあげられます。建物内は被服銅管で給水、給湯管施工はお勧めです。実際の施工に関しては水道業者の給水装置工事主任技術者さんと十分相談されて施工すればと思います。
(現在のポイント:-pt)
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