対象:住宅設計・構造
ご教授のほど宜しくお願い致します。
現在、自宅の敷地内に木造平屋(4.5m×6.0m)の倉庫を、自宅とは別に増築しようと計画しており、工務店に提案してもらっている段階です。
建物の概要は下記の通りです。
構法:在来軸組
間仕切壁は無く長方形の間取り
基礎:ベタ基礎
屋根:片流れ
心配しているのは構造耐力が安心できるかという事ですが、計画建物は床組みをせずベタ基礎のスラブを直接床としているので木構造の床組みが外周部(土台)しか在りません。床組みが無くても構造上大丈夫なのでしょうか?
たかが倉庫ですがうん百万出して建てるのでしっかりとした建物を造ってもらいたいのでこのような質問をしました。
どうか皆様宜しくお願い致します。
追記:壁量や金物の計算などしてもらいクリアしてもらっていて小屋組みには火打ち梁を入れています。
so1007さん ( 埼玉県 / 男性 / 34歳 )
回答:5件
![渡邉 一弘](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/s/1324369613.jpg)
渡邉 一弘
建築プロデューサー
2
丁度、同じようなのをお寺で
はじめまして。
ほんとによく似たと言いますか、平屋でトイレつきのお寺の倉庫(屋根はお寺なので本瓦)
やってまして、こちらはトイレ設備設置して完成を向かえるばかりの物件があります。
宜しかったらご参考までに http://www.yagamikoumu.com/pipipiga/pipipiga.php?q_dir=./img/H%20tei
本題へ
床組みは平屋の場合、構造的な観点からすれば影響は小な存在です。
床束で今一般的なのは鋼製束で、ベタ基礎にコンクリート釘&ねたボンド
で固定、T字基礎の場合ブロックや、昔は石の上にのせてあるだけですから。
これが2階建てですと2階の床組み、最近では28mmの構造用合板を張り。
その場合は例えるなら、鉄製の4隅の棒と、棚を組み合わせる一般的なラック
ありますよね。あれに例えると分かりやすくて、天辺の棚板だけな場合と
途中に何段かある場合とでは、ぐらぐら感が違うのはご経験があると思います。
それと一緒で、2階建の2階の床に合板を使う場合は強度計算に入れます。
よって、筋交いと筋交い金物、ホールダウン金物、火打ち金物等が計算上
ちゃんと入れられていれば心配ありません。
それよりも、平屋の場合、地盤の事を軽視する傾向がありますから
地盤改良まではよっぽどのことがない限りよいと思いますが、
ベタ基礎の配筋及び立ち上がりのTOP筋、そしてコンクリート強度
に注意した方がよいと思います。地盤が弱いと、真中だけ下がったり
しますから。
補足
お寺の小屋組みは、地松をチョンナとカンナで削りましたが、完全な乾燥材ではないので
かなり重いです。それに加えて本瓦ですから、重いのなんのって。今回は倉庫内部に棚を
設けましたので、計算には入りませんがそれが多少の補強をになっています。
構造やさんとよく話をしますが、計算とはあくまで仮定の上で仮定の揺れをそれも
阪神淡路大震災のような縦揺れは考慮していませんから、正直なところ地震が来てみて
はじめて・・・的な部分を十分に含んでいます。ただそれに頼らざるおえないのも現状で
本来は、人の感覚とか、大工の経験値からくる勘のほうが正しいと、個人的には思っています。
評価・お礼
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so1007さん
ご回答有難うございます。
当初は住まいではないので余り気にせず、工務店任せにしていましたが最近不安になって
ご相談させて頂きました。素人でも判りやすいご説明本当に有難うございます。
基礎の仕様は鉄筋の仕様・ピッチなどは自分なりに調べた限り大丈夫かと思います。でも立上り
幅が120しかないので鉄筋のかぶり厚が取れるか心配なので工務店に相談してみます。
基礎立上りが外周部にしかないので素人考えで150位の厚みにしてコーナーに補強筋を
入れてもらおうかと思っています。
![柏倉 智弘](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/s/1324366792.jpg)
柏倉 智弘
工務店
1
問題はないと思います。
こんにちは。
大きな倉庫ですね。
軸組の一階床は、床に載った荷重を直接地面に伝える構造になっています。
逆に床は、柱や筋交い(壁量)を支えるわけではありません。
壁量の計算をする場合も、一階の床に関しては考慮に入れません。
二階建ての場合の二階床は、地震時に二階の揺れを一階の壁に伝える働きをするので剛性が大切になります。
工務店さんが壁量計算や金物のチェックをなさっていると言うことであれば問題は無いと思います。
さらにこの大きさの倉庫であれば建築確認申請が必要になり、そちらでも構造のチェックをうけますからご安心なさっていいと思いますよ。
評価・お礼
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so1007さん
ご回答有難うございます。
不安がなくなり感謝しております。
工務店にも大きな倉庫だと言われました。バイクや趣味のものを収納しようかと考えています。
住まいがが小さいもので・・・
確認申請はおこなうとの事です。
![遠藤 泰人](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/s/1324356698.jpg)
遠藤 泰人
建築家
5
大丈夫です
空間スタジオの遠藤と申します。
少々情報が足りないのですが、分かる範囲で、想像しながらお答えします。
多分趣旨は「床組がなくて、火打ちも入っていないけれど、柱のねもとはしっかり固定されるか?」ということだと思いますが、結論は、大丈夫です。
基礎が立ち上がりも含め、きちんと施工されていれば、基礎の形は崩れることはないはずです。(地盤が悪ければそれは全く別のことになります)それに適切に土台がとめられていれば、土台がずれることはありません。従って床組がなくとも大丈夫です。(土台の腐れに関しては、別にご検討下さい)
すなわち、地盤を考慮し耐圧版ををきちんと施工しさえすれば4.5m×6mのスラブが地上におかれる事になります。その長方形の形はまず変形することはありません。そこから適切に立ち上がりが外周廻りに施工されれば、その立ち上がりも変形しないはずです。コンクリートの四角いお盆のようなものが地面におかれたことになります。
その外周に土台がのるわけですが、きちんとアンカーが打たれていれば土台も動きません。ただし土台の継ぎ手の所は、両側にアンカーを打った方が無難です。
その土台の上に柱が立つのですから、柱の根元も動きません。
柱の上に、在来軸組で片流れの小屋を載せるわけですが、陸梁を飛ばす和小屋でしたら火打ちがいります。
登り梁をかけるのでしたら、構造用合板の野地板で固める方法があります。水平でない火打ち梁は仕口がうまくいかない場合が殆どですので、要注意です。
参考にして下さい。
評価・お礼
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so1007さん
ご回答有難うございます。
アンカーボルトの位置を図面上で確認してみます。
火打ち梁は全部で8箇所に入っていました。
こまかい専門的なご教授有難うございます!
不安がなくなりとても感謝しています。
![安田 和人](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/s/1324356885.jpg)
安田 和人
建築家
1
問題はないかと思われます。
もともと1階の床については、構造躯体(柱・壁など)と縁を切って構成されます。
ということは、1階に乗る荷重のみを考慮する部分であって、他の構造体とは
関係がもともとありません。
他の方が書かれているように、建物の耐力は平屋の場合壁にある筋交などで
検討し、剛性を保つために火打ち梁を入れたり、野地板で剛性を検討したりします。
基礎部分はベタ基礎のようなので、耐圧版をきっちり施工し立ち上げ部分に
必要なホールダウン金物などで「引き抜き」に対する検討を行えば
問題はないかと思われます。
もちろん土台の固定にはアンカーボルトなどが必要です。
土台をきっちりと基礎に固定し、引き抜きに対する柱の足元にホールダウンを配置
し、上部に火打ち梁を配置したうえで野地板による剛性の確保を行えば
問題はないかと思われます。
当然のことながら、確認申請はきちんと行ってください。
評価・お礼
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so1007さん
ご回答有難うございます。
ホールダウン金物は4隅にS-HD10というものが入っています。
工務店に説明を受けたのですが、計算上(N値?)は必要ないが4隅に入れるとの事です。
ちなみに耐力壁は全て45×90のスジカイです。
野地板とは屋根の下地材ですかね!?工務店に確認してみます。
専門的なご教授、誠に有難う御座いました。
![森岡 篤](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/s/1224354742.jpg)
森岡 篤
建築家
1
床組無くても問題なし
so1007さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
建物の構造耐力の検討は、簡単に言うと、
・自重や建物に載る、重量に対する検討
・地震や風など、横からの力に対する検討
の2種類を行い、どの状態でも安全であることを確認します。
1階の床組は、その床に載せられる物を支えるだけなので、床組がある、あるいは鋼製束などで床を支えるかは、上部骨組の耐力には影響しません。
もちろん、上部の柱、梁、筋かい、屋根パネル、基礎など、全ての構造体は、構造耐力に影響し、各部材は、必要な耐力が必要です。
現在の確認申請制度では、木造平屋(2階建て以下)の木造は4号建物と言って、建築士の申請は特例で、構造チェックは事実上ノーチェックなので、確認申請でのチェックという意味では、気になるところですね。
パルティータ建築工房サイトはこちら
東京都中野区の建築設計事務所 注文住宅/二世帯住宅/リフォーム
住宅の疑問にこたえる、「住宅こたえるね!ット」はこちら
評価・お礼
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so1007さん
ご回答有難うございます。
行政はノーチェックなんですね。住まいの時もそうでした。
工務店からはノーチェックだからといってしなくて良いものではないと聞いていますので
その点については安心しております。
専門的なご指摘有難う御座いました。
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