対象:労働問題・仕事の法律
自宅待機中のシステムエンジニアです。週に2日研修ということで出社しています。
先日、研修で出社している日に顧客から緊急作業依頼があり、社長命令で22:00まで残業しました。ところが、「作業をしたということになると書類を提出しなければならないから」という理由で、その日の勤務は無かったことにしてくれと言われました。勤務表上は研修を受けていたということで、定時出社の定時退社になっています。
自宅待機中に業務命令で緊急に仕事をした場合は、本来はどうすべきなのでしょう?
補足
2010/06/01 20:52自宅待機の理由は、会社の業務減です。
給料は60%となっています。
会社は研修をしているということでハローワークに届けを出し、国からの援助を受けています
mew_mewさん ( 東京都 / 女性 / 43歳 )
回答:2件

今林 浩一郎
行政書士
1
労働基準法違反
会社の業務減で自宅待機している場合に支払われる60%の給与は休業補償(労働基準法76条1項)の性質を有すると解されます。したがって、緊急業務で働いた場合には休業補償ではなく通常賃金を支払う義務があります。そこで、勤務がなかったことにすれば、休業補償と通常賃金の差額を支払わないことになりますから、賃金不払いとなり、労働基準法に違反します(同法24条・120条1号)。また、会社は労賃台帳を調整し、台帳に労働時間数を記入しなければなりませんから、実際に働いた労働時間を記入しないことは労働基準法違反になります(同法108条・同施行規則54条・120条1号)。
補足
失礼しました。療養による休業と勘違いしました(労働基準法75条)。適用条項は同法26条が正しいです。ただし、私見では、会社側が同日就業拒否している訳ではなく実際に貴方は1日就労している以上、休業扱いではなく会社側に通常賃金を支払う義務が生じると考えます。
評価・お礼

mew_mewさん
早速のご回答、ありがとうございます。
この場合は会社側の労働基準法違反ということでいいのでしょうか?
それとも私の方も労働基準法違反ということでしょうか?
もし次回また同様の依頼があった場合には、私としてはどうすべきなのでしょうか?

今林 浩一郎
お役に立てれば幸いです。労働基準法は労働者の権利を保護するための法律であるので、労働者であるあなたが心配されるには及びません。勿論、会社側の労働基準法違反です。今後も同様の事態が続くようであれば、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。

本田 和盛
経営コンサルタント
-
自宅待機中の業務
凄腕社労士 本田和盛です。
自宅待機中に支給されるのは休業手当(労基法26条)です。業務災害補償である休業補償(76条)とは異なります。休業手当は休業させた場合の所得保障です。
休業手当は使用者の責任で従業員を休業(または一部休業)させた場合に支払うものです。休業とは労働者が労務提供を申し出ているにも関わらず、使用者がその受領を拒否している状態です。自宅待機もこれに当たります。
会社から明示的に「仕事をやれ」と命令があれば、就労場所が自宅であっても「業務」となります。当然業務の時間に応じた賃金が発生します。
たとえば自宅で3時間仕事をした場合、3時間分の賃金請求権が発生します。しかし休業手当で1日の平均賃金の60%が支払われることになっているので、特に追加して賃金を支払う必要はありません。
一方、1日8時間以上働いた場合は、超えた時間分の賃金を追加して支払う必要があります。「勤務がなかったことにしてくれ」というのは、「サービス残業」してくれということと同じであり、明らかに法違反です。
評価・お礼

mew_mewさん
早速のご回答、ありがとうございます。
この場合は会社側の労働基準法違反ということでいいのでしょうか?
それとも私の方も労働基準法違反ということでしょうか?
もし次回また同様の依頼があった場合には、私としてはどうすべきなのでしょうか?

本田 和盛
当然、会社側の労基法違反です。相談者は違法ではありません。
次回も「サービス残業してくれ」という依頼があった場合、本筋であれば断ることになります。それで解雇などの不利益な取扱をされた場合は、労基署に相談することになります。
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