対象:労働問題・仕事の法律
1ヶ月ほど前に転職しました。新部署を立ち上げることになり、立ち上げスタッフ(管理職)として採用されました。10人程度の小さな会社ですが、現在、タイムカードや出勤簿もありません。わたしは役職者だから残業代は発生しないといわれており、また、その他の人はみんな営業職のためみなし労働ということもあり、タイムカード類は必要ないと社長は考えています。
この度、新部署のスタッフを募集するにあたり(管理職ではない一般スタッフかつ事務職)、勤怠管理は不可欠だと思っています。特に、採用されるがわからすれば、残業代をきちんと支払ってくれるのかが心配だと思います。
タイムカードは導入しないで、各自パソコンを立ち上げ、会社のシステムにアクセスした時点が仕事開始なのだから、それを出勤時間とみなし、退勤時間はシステムからログアウトしたときとすれば良いんじゃないかと社長は言っています。
これまで、私は別会社でパートやアルバイトの管理経験があり、就業の部分で会社側ともめたり不平をもつケースを見ていますので、会社側の『無駄な金』を払いたくないという気持ちもわかりますが、法律に抵触せず、働く側も納得できる方法を採用しないと結局、退職してしまうことになりかねません。
タイムカードや出勤簿の類はなくても問題ないのでしょうか。それが、労働問題に発展することはないのでしょうか。
教えてください。
まねこさん ( 愛知県 / 女性 / 36歳 )
回答:1件

本田 和盛
経営コンサルタント
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出勤簿、賃金台帳
凄腕社労士 本田和盛です。
会社は法定3帳簿と呼ばれる、「労働者名簿」、「出勤簿」、「賃金台帳」を作成する義務があります。労基署の立ち入り検査、臨検でも求められます。
労働者名簿と賃金台帳については、記入すべき必須項目も指定がありますので、必須項目を落とさず作成する必要があります。出勤簿については、最終的に賃金台帳を作成するための出勤日と労働時間が確認できれば良いので、特に指定の項目や様式はありません。
労働時間の把握方法については、特に法律で定めはありませんが、通達が出ております。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の策定について
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2.pdf
始業終業時刻の把握については、下記の記載があります。
タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基本情報とし、必要に応じ、これら以外の使用者の残業命令書及びこれに対する報告書など、使用者が労働者の労働時間を算出するために有している記録とを突合することにより確認し、記録するものであること。
また、タイムカード、ICカード等には、IDカード、パソコン入力等が含まれるものであること。
パソコンを立ち上げたり、終了した時刻が出退社時間と完全にリンクしていて、それが自動的に記録されて使用者が把握できるのであれば問題ありませんが、通常個々人のパソコンの立ち上げ・終了時間で出退社時間が確認できるとは考えられず、タイムカード等の客観的な記録が必要でしょう。
ちなみに賃金台帳は労基法108条で下記のように定められています。
「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。」
評価・お礼

まねこさん
ご回答有難うございます。
システムにアクセスした時間はおそらく管理者権限で確認できるので、ということになると、タイムカードの代替として可能だということになりそうですね。
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