仕事においてはもちろん、プライベートにおいても、何かの計画をしたり目標を立てたりという機会は多々あると思います。それと同時に、計画や目標を立ててもそれに向けた実践がなかなかできず、計画や目標を達成できないということも、また意外に多いのではないでしょうか。
スポーツ選手などからよく「有言実行」という言葉を聞きます。口に出したことを責任持って必ず実行することという意味ですが、そもそもは、黙ってやるべきことをやるという意味の「不言実行」の“不言”を“有言”に置き換えて作られた言葉なのだそうです 。
昔は、よけいなことを言わずに行動で示す「不言実行」が立派と考えられていました。自分の功績はいちいち口に出さず、黙々と何かに取り組んで結果を出すのは、確かにかっこいいと思います。
しかしここ最近の傾向として、逆にやろうとしていることを言わないのは、失敗を他人に知られずにすむという安全策であり、やるべきことを初めに宣言するというリスクを取っている方が、より立派だと考えられるようになってきているのだそうです。
そんなことから「有言実行」という言葉がポピュラーになってきたようです。
どんな人でも、守れない約束なら最初からしないでしょうし、約束したことは基本的には守ろうとすると思います。これをそれぞれの言葉に置き換えてみると、初めから約束をしないのが「不言実行」、約束をしてそれを守ろうとするのが「有言実行」ということになります。こう考えると、「不言実行」は確かにちょっとずるい感じもしてしまいます。
やはり、自分の計画や目標を他人に宣言するということは、それが他人との約束になり、そのことで、より自分の責任感が増すという効果があります。責任感が増せば、その計画や目標に向けた実践をしなければならないという自覚が生まれ、取り組みを実行せずに終わってしまうような確率を減らす事ができると思います。
今まで、自分の心の中だけで計画や目標を立てる「不言実行」だった人は、あえて「有言実行」にトライしてみると、いつもと違う結果につなげる事ができるかもしれません。
実践を自覚するために、「有言実行」を活用するという方法も、あるのではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「管理職になりたくない」の気持ちを変えられるか(2024/03/20 21:03)
有名店の店主がいう「得する客」の話(2024/01/17 23:01)
「厳選採用」とは反対のやり方(2023/12/13 18:12)
身近には意外に少ない「ダメ出ししてくれる人」(2023/11/30 11:11)
「アットホームな会社」とは何なのか(2023/11/15 18:11)
このコラムに関連するサービス
【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断
中小法人限定で当事者には気づきづらい組織課題を社員ヒアリングで診断。自社の組織改善に活かして下さい。
- 料金
- 無料
組織の課題は、当事者しかわからない事とともに、当事者であるために気づきづらい事があります。これまでの組織コンサルティングで、様々な組織課題とその改善プロセスにかかわった経験から、貴社社員へのヒアリング調査によって組織課題を明らかにし、その原因分析や対策をアドバイスします。予算がない、依頼先を見つけられないなど、社外への依頼が難しい中小法人限定です。社員ヒアリングのみで行う簡易診断になります。
このコラムに類似したコラム
「計画作り」に疲れて「実行」がおろそかになってしまう話 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2022/05/19 07:00)
「夢がない」はいけないことか? 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2020/04/07 08:00)
「計画」に力を入れ過ぎるマイナス 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2019/10/08 08:00)
「予定されていないものこそ“未来”である」という話 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2019/02/12 08:00)
「全額会社負担」が効果的ではなくなってしまうこと 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2017/03/21 08:00)