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中井 雅祥
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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「厳選採用」とは反対のやり方

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 業種問わず全般的な人手不足の中で、採用活動をおこなっている会社は多いですが、うまくいっているという会社は決して多くはありません。よく聞くのは、採用したけれども「能力が足りない」「会社になじめない」など、「思っていた人材ではなかった」というミスマッチの話です。

 周りの足を引っ張って戦力的に逆にマイナスなどという話を聞くこともあり、そうなってしまうとお互いにとってとても不幸なことですし、そんな事態はないに越したことはありません。

 

 しかし、こういったミスマッチを避けようとすると、一般的にいう「厳選採用」をするしかありません。人材要件などの基準を高く設定し、選考を慎重に進めることになりますが、当然要件に合致する人材は少なくなり、自社内の人材採用に関する要望を充足することは難しくなります。

 

 特に採用担当者は、この矛盾に悩みながらぎりぎりの妥協点を導き出そうとしますが、私の経験上では、選考時の懸念事項を善意に解釈して採用しても、その懸念は結局当たってしまうことが多いものです。「たぶん大丈夫だろう」という判断は禁物といえますが、そんなことを言っていては誰も採用できなくなってしまうので、どう判断するかは本当に悩ましいところです。

 

 この問題がすべて解決できる訳ではありませんが、こんな会社があるという紹介記事を目にしました。応募者に対して会社から「不採用」とは絶対に言わず、「その人に合わせた仕事を作る」というのです。

 エントリーの敷居は極限まで下げ、履歴書も不要で面接のような形をとらず、ただ気軽に仕事について一緒に話し合うということをしています。「どうやって入社してもらうか」ではなく、「どうしたら就職希望者に選ばれる会社になれるか」を考えて、一緒に飲みに行ったりゲームをしたりということもあったそうです。

 

 そういうことを続けていてたどり着いたのが、「不採用はない」という考え方で、「すべての応募者には必ず良いところがあり、何かその人に合う仕事があるはずだ」という前提に立った話をしているそうです。

 ただ、現実はそう簡単ではなく、その人に合った仕事を作り出せないことが多々ありますが、そこでは「将来やってほしい仕事ができたら、こちらから声をかけさせてほしい」と伝え、決して不採用とは言わないそうです。

 

 これらの取り組みは社員からも評価されて、知人の紹介など新たな採用に結び付くことも増えたそうですが、その一方で離職率は決して低くなく、新陳代謝が続いている状態とのことです。社員の同質性を求めていないことや、社内の環境変化の度合いが大きく、そこでミスマッチが発生する時があること、そのことに対する無理な引き留めはしないことなどが要因とのことで、まだまだ試行錯誤が続いているそうです。

 

 この話は一例ですが、最近は今までの常識にとらわれない、様々な採用手法をとる会社が増えています。インターンの仕組みでお互いの相性を見極める期間を設けたり、応募書類は一切不要にしてその人の人柄だけで選考したり、紹介やスカウトに会社をあげて取り組んだり、本当にいろいろです。

 これらに共通するのは、採用基準を厳しくする「厳選採用」とは反対の動きであり、その一方でただ採用基準を下げる、選考を甘くするという動きとも違っているということです。

 

 これからもいろいろな会社でいろいろな採用活動の方法が考えられて、実践されていくのだと思いますし、その正解はきっとないのだろうとも思います。

 ただ、今までの既成概念にとらわれない姿勢と発想が必要なことだけは確かです。

 

 

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