小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ会話から「主語」がなくなってしまう理由
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先日、ある方の講演を聴いている中で思ったことです。
それほど難しい話をしている訳ではないのですが、話の内容が、なぜかものすごく理解しづらく感じてしまいました。その理由は、話の中で主語の省略がものすごく多いということです。
お年寄りの会話などではありがちなことかもしれませんが、さすがに講演のような、多くの人たちが話を聞いている場面であると、もうちょっと意識してほしいという気持ちになります。
主語というのは、話している中でついつい省略されやすいという所があるように思います。それがなぜかと考えると、要は相手の理解の程度に思いが及ばず、自己中心的に話をしているということなのだろうと思います。
早く結論が話したい、相手も理解しているという思い込み、以心伝心で伝わっているつもりなど、話し手の意識としてはいろいろあるのでしょう。
自分が話したいことばかりに意識が先行してしまうと、一番最初に省略してしまうのが主語なのではないかと思います。
これは以前どこかで聞いた話ですが、海外の人たちから日本人同士の会話を見ると、「あれ」とか「それ」とか、はっきりした主語がないのになぜか通じているという指摘を聞いたことがあります。あうんの呼吸があるのでしょうが、誰が相手であっても、自分の意図をきちんと理解してもらうことを考えると、やはりそれでは良くないでしょう。
このように、意識していないとついつい省略しがちな主語ですが、話の理解度を左右する上では大事な部分です。
相手を選ばず、しっかりしたコミュニケーションをとっていく前提としては、「主語からしっかり話すこと」を意識するのは、とても大事なことではないかと思います。
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