対象:住宅設計・構造
回答:5件
メリットデメリット
私は木造住宅は土地柄もあるのかもしれませんが軸組み工法で設計しています。したがって2×4は知識でしか持ち合わせていませんのでそのことを前提として書かせていただきます。
<木造軸組み工法> → 在来工法とも呼ばれています
メリット
・木造住宅を施工するほとんどの建設会社が対応できる
・そのための部材類は豊富に揃っている
・最近は耐震性向上のために壁量が増えているが、それでも開口幅は大きく取れる
・筋交いなどの部位以外の将来の変更・改造は比較的容易
・将来の増築も、法規の問題を解決すれば施工可能
・真壁造り(柱・梁現し)による木のよさを表現できる
・真壁造りによる木の調湿効果が期待できる
デメリット
・見積価格で大工手間が大きい
・耐震性能は適切な金物の使用と適切な施工がされれば2×4と遜色無いが、揺れは2×4より大きい
・工期が長くなる
<2×4>
メリット
・壁工法なので地震時の揺れが小さい
・基本的に決った釘の本数で構成されたパネルを建てこむ方式なので、施工が早い
・部材相互の密接度が高いので、防火面で効果的である
・上記の理由から同じ仕様の在来より断熱性能が高い
・気密性能が高い
デメリット
・壁で耐震性を確保しているので、将来の壁の貫通・撤去などの変更は不可
・パネルで面が構成されているので、木を露出させた意匠が出来ない
・上記理由から、木による調湿は期待できない
・施工できる建設会社の数は、軸組み工法に比べて少ない
・気密性が高いため、高湿度の環境では湿気が抜けないで腐食の恐れがある
・壁工法なので、開口幅などが制限される
参考まで。
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住まいに求めるものを考えよう
個人的にはどちらの工法も優れている部分もあるし、劣っている部分もあるので工法的なメリット、デメリットは何を重視するかによって変わってくると思っています。
構造、気密性、耐火性能、結露、コストなど。
実際、構造的には軸組工法と行っても構造用合板に金物を使用する場合も多く、2×4工法と比べてあまり変わりがないように感じられます。(ただし軸組は仕口、継手のように木組みで、2×4工法は釘や金物による緊結される)
しかし施工手間はやはり違ってきますし、在来軸組と2×4では大工の技量は違います。
2×4工法は躯体のほとんどが工場でパネル化され、現場では組立てるだけです。工期短縮という点ではメリットがあるかもしれません。
わたしの場合、両工法とも設計しますが、あまり最初から工法ありきで考えない様にしています。まずコストや工期なども含めて考慮し、希望する空間構成を整理してみてそれに見合った工法を使うように考えます。
また両方の良いところをミックスして軸組の躯体に構造用合板の耐力壁、垂木や床根太などの部材にツーバイ材を使用するなどして空間のつくり方に合わせて工法や部材をミックスさせたり、空間表現として適切な工法の選択を考えています。
それぞれの工法のメリット、デメリットも大事ですが、住まいに対して何を求めるのかを明確にしていくことによって何がメリットになり、デメリットになるのかわかってくると思います。
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参考までに
簡単ではありますが、以下まとめさせていただきました。
■ ''自由度が高い「木造軸組工法」 ''
●今も主流の在来工法
木の柱と梁(はり)、筋交いなどで組み上げる木造軸組工法は、昔も今も日本の
家づくりの主流です。(全体の6割以上が在来工法)
最近では、工場で加工するプレカットや、補強金物によりバラつきは少なく
なりましたが、職人の熟練度により仕上がりが違ってきてしまうのは否めません。
●構造的な制約が少なく、プランの自由度は高い。
柱や梁で組む構造なので、他の工法に比べると間取りの自由度は高く、開口部も
大きくとれる。価格もローコスト住宅からこう高級仕様の住宅まで幅が広い。
工期は、4〜5ヶ月前後が目安。
■ ''気密性や耐震・断熱性に優れた2×4工法 ''
●安定人気の「壁」で支える枠組み壁工法
1970年代に北米から日本に取り入れられた2×4住宅は急速的に広まりました。
6面体で支える箱型の構造は、耐震性の高さが特徴で、高気密・高断熱の家が
できることで注目されています。さらに構造を強固にできる2×6工法もあります。
●比較的オープンな空間が可能、吹き抜けや小屋裏が作りやすい特徴があります。
ただし、体力壁の影響で開口部の制限があり、デザインに影響することもあります。
工期は3〜4ヶ月前後が目安。
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住む人にとっての差はあまりないはず
やや大胆にまとめると、
メリット
''軸組構法''
空間の自由度がより高い
改築の際に間取りの変更が容易
''枠組構法(2×4)''
施工が簡便で、工期が短め
釘など小さな金物類の寿命が建物全体の寿命で、延命が難しい
メリットの反対が、それぞれを比べた場合のデメリットと言えます。
強度的な優位性はどちらも同じと思います。
気密性の確保は、工事する側からは少し差がありますが、住む人にとっては差はないです。
構法そのものを比較するというよりも、まず求める空間がどんなものなのかをある程度考え、それを実現するのに適した構法はどちらなのか検討する、という方法が良いと思います。
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敷浪 一哉
建築家
39
納まりの違いが大きいですね
さて、在来工法とツーバイフォー工法、どちらも木造ですが、在来は柱と梁の軸組み、ツーバイフォーは壁と床の壁枠組、という違いがあるというところはわかっていますよね。
在来でも構造用合板を張って強度を増す方法もあって、それはツーバイフォーと同じなの??という混乱もおこってしまうでしょう。実際に違いがどうやって現れてくるの?というところはあまりよくわからない部分です。
実際いちばん大きく違ってくるのは、設計上のいろいろな納まりです。
通常の工法であることが条件で書きますが、例えばツーバイフォーで天井までの高さがある窓をつけることはできません。マグサという梁状の材がかならず天井下に入ってきますので、その分は窓の上に壁ができることになります。また、壁の入り隅ギリギリに窓を持ってくることも、ツーバイフォーではできません。
あくまでも通常の納まりの場合での比較ですが。
つくる側からすると大きく違う両者ですが、実際出来上がる住宅にはあまり見た目の差はないですよね。最近は色々な手法や工法が出てきて、さらに差がなくなってきているように感じます。
どちらの工法が優れていて・・・という判断をするのではなく、個々の施工会社の能力で判断するほうが正解だと思います。どちらも一長一短ですから。
(現在のポイント:91pt)
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