悪魔か天使か

ローコスト住宅を販売しているビルダーの使命は「お金がない人に安くていい家を提供すること」だった。

社長は「母子家庭が幸せになるためにいい家を造りたいと考えている」という広告を出した。

結果からお話をすると、
家は売れて、会社は大きな利益を出して、社長は億万長者になった。

しかし、母子家庭の多くはローンを組むことができず、家を買うことができなかった。

買ったのは、収入に不安があって家の購入を躊躇していた夫婦がそろった家族であり、広告に共感した教育関連の人たちだった。

母子家庭の多くは家を買えないことが判明した。しかし、その後も社長は同じ広告を出し続けて利益を上げ続けた。

この話に怒りを感じたなら、

あなたは親の資産で暮らしている人か、
特別な才能の持ち主か、
偶然収入が増えた人か、
お金がなくても幸せに暮らすことができる人か、

もっと稼ぎたいけど稼げていない人ではないだろうか。

是非を問うつもりはない。

ずるいことをやればお金をやればお金が稼げると考えているかもしれないが、
残念だがそんなに単純ではない。ずるいことをやってもお金を稼ぐことができる人は少数だ（この話がずるいと思って書いているわけでもない）。

なぜなら、多くの人は「そんなに大金を手にする必要はない。」と自分でブレーキをかけているからだ。アクセルとブレーキを同時に踏んだらバランスが崩れる。

事実は、
母子家庭の多くは家を手にできなかった。
しかし、家をあきらめていた人が家を購入し、教育者は立派な考えの社長から家を買ったことに満足をした。

そして、彼は多くのお金を手にし続けている。

彼は悪魔だろうか、それとも天使だろうか。