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市原 真二郎
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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ストレッチ+無酸素→有酸素運動でメタボ知らずの身体を!(8)

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(続く)・・この超回復をスムーズに行なう上で欠かせないものの一つが成長ホルモンです。運動刺激によって脳下垂体から成長ホルモンが分泌されると、まず筋肉の超回復を滞りなく行ない、筋肉を充実させ強化させます。成長ホルモンはそれだけでなく、脂肪の分解を促進して体脂肪を減らす作用を示し、さらには骨代謝を促進して骨を丈夫にしたり、皮膚の代謝を促進してシワやシミを軽減したり、免疫力を向上させて風邪などに強い身体にしたりする効果も認められています。
 
このように「若返り」の万能薬のような成長ホルモンですが、適度な運動、特に無酸素運動により、加齢による分泌量の減少に歯止めをかけることは、かなりの程度可能です。実際にトレーニングにより、メタボを改善したり元気を取り戻した中高年の方々は枚挙にいとまがありません。ただ無酸素運動というと、重いバーベルを持ち上げるようなハードな運動というイメージがあり、特に女性や高齢者は敬遠するかも知れません。それでは誰でも安全に効果的に行なえる無酸素運動はないものでしょうか。
 
上述のように運動刺激によって乳酸が発生し、成長ホルモンの分泌が促されますが、その乳酸は運動強度が高いほど多く分泌されます。従って従来は、より激しい運動をした方がより効果的、と考えられてきました。ところが最近の研究で、比較的軽度の運動でも多量の乳酸を産生し、多量の成長ホルモンの分泌を得られるようなトレーニング方法が開発されました。その方法の一つが「スロー・トレーニング」です。これは比較的軽度の負荷をかけ、ゆっくりとした動きで行なう安全なトレーニング法です。
 
具体的には、通常の筋トレの半分程度という軽めの負荷をかけ、片道3秒以上の時間をかけて、継続して往復運動を行ないます。例えば上腕二頭筋を鍛えるバーベル運動では、バーベルの重さを半分程度に抑え、3秒以上かけて肘を曲げ、3秒以上かけて肘を曲げます。これを5~10回くらい続けます。またスクワットでは、通常のスクワットに比べて極めてゆっくりと行ないます。3秒以上かけて上体をおろし、3秒以上かけて上体を起こします。これを5~10回くらい続けるのです。
 
このトレーニングの最大のポイントは、トレーニング中は力を入れ続けることです。そうすることによって筋肉が常に収縮を続け、筋肉内の血管が圧迫され続けます。そうすると血管内の血流が遮断され、筋肉が酸欠に陥るために乳酸がより多量に蓄積します。その結果、多量の乳酸が多量の成長ホルモンを分泌させるというメカニズムです。いわば筋肉を持続的に収縮させることによって、筋肉に対して激しいトレーニングであると錯覚させ、多量の成長ホルモンを分泌させることが、このトレーニングの肝です。
 
実際にこのトレーニングを行なうと、運動で使った筋肉がパンパンに張ってくるのが分かります。これは運動により蓄積した乳酸を希釈するため、周囲から水分が集まってくるためです。これは高重量の激しいトレーニングをした後と同じ状態です。しかも低負荷のため、関節に不安のある方や高血圧の方、高齢者などでも比較的安全に行なうことができます。安全性が高い割に効果的である、というのがこのスロー・トレーニングの最大の特徴です。
 
従ってメタボ対策などの場合でも、上記の有酸素運動とスロー・トレーニングのような安全かつ効果的な無酸素運動とを、上手く組み合わせて行なうことが勧められます。但しその順番は、無酸素運動を先に行ない、その後に有酸素運動を行なう、というのがより有効な方法です。というのは、先に無酸素運動を行なうことによって成長ホルモンが分泌され、有酸素運動による脂肪燃焼効果がより向上するためです。この条件ではたとえ10分の有酸素運動でも、かなりの脂肪燃焼効果が期待できます。
 
全体の流れでいうと、運動を始めようという人の場合、先ずはストレッチで硬くなった全身の筋肉をほぐし、次に有酸素運動を始めて徐々にその量を増やし、次にスロー・トレーニングなどの無酸素運動を有酸素運動の前に行なうようにする、という取り組み方になるかと思います。何よりも大切なのは、そのような科学的に妥当なトレーニングのメニューを組んで、それを楽しく継続していくことです。さらにそれを家族や友人、職場の仲間などと一緒に行なえば、皆が揃って健康になれることにつながるのです。

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