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対象:心と体の不調

茅野 分
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(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年12月11日更新

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がんばろう東北!災害時に心身の健康を維持・向上する方法(3)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・学校や体育館などに設置された避難所には大勢の方が身を寄せ合って暮らしているため、一人当たりのスペースは極めて狭く、プライバシーは殆んど保てません。また朝晩を中心に冷え込んで暖房も充分ではないため体が冷え切っており、風邪やインフルエンザの流行が懸念されます。食料が充分でなく栄養バランスが偏っていれば、そして長期間にわたる避難生活によってストレスが蓄積すれば、免疫力が低下して風邪やインフルエンザにかかる危険性は倍増します。

 

そこで避難所としては、風邪やインフルエンザの流行を少しでも防ぐことが重要な課題となります。これらの感染症を防ぐための取り組みとしては、ワクチンや薬物、環境・衛生面の工夫、個人の免疫力の向上といった切り口があり、それぞれに大切な要素なのですが、このうちワクチンと薬物に関しては、医療機関の診療態勢や薬品等の供給が充分でない可能性が高いため、あまり期待できないのが現状です。従って、その他の取り組みを現状に即して行なう必要があります。

 

先ず衛生面の工夫に関してですが、一番大切なことは、すでに発症した人が周囲の人にうつさないように気を付けることです。通常ならば個室などに離れていた方が良いのですが、それが無理ならば、近くに小児やお年寄り、病弱な人が少ない場所でマスクをして過ごしましょう。マスクは感染を予防する効果は限定的ですが、他人にうつさないための効果はある程度期待できます。もしマスクがない状態で咳などをする場合には、できるだけ他の人から顔を逸らし、ハンカチや肘などで口をふさぐようにしましょう。

 

風邪のウイルスを含んだ飛沫が手についている場合、その手で口や鼻を触ると感染の危険性が増加します。従っていたずらに手で顔を触らない、という工夫も必要です。とはいえ人間は猫とならんで顔をよく触る動物ですので、それにも限界があります。ここでもやはり「手洗い」が衛生面の基本になります。もし水が充分にある場合はこまめに手を洗うことが勧められますが、水が不足している場合には、消毒用アルコールで手を消毒することである程度は代用できます。またよく人が触れる手すりやドアのノブなどは、時々アルコール等で消毒しましょう。

 

ただしいくら一生懸命に衛生面の工夫をしても、ウイルスが多量に存在すれば容赦なく体内に侵入してきます。そこで体内に入ったウイルスによって、風邪やインフルエンザを発症させないための取り組みも同時に必要になります。分かりやすく言えば「免疫力」を向上させる、ということです。同じ風邪が流行っても、同じワクチンを打っても、風邪にかかる人とかからない人がいるのは、ひとえに免疫力が充分に備わっているかどうかの差によります。それでは避難所という厳しい環境下で、いかなる方法で免疫力を向上させればよいのでしょうか。

 

そのために最も大切な要素は、やはり「食事」です。風邪を予防し、また軽症で済ませるためには、ビタミンCをはじめとしたビタミン類やミネラル類、各種抗酸化栄養素の充分な摂取が望まれます。具体的には、新鮮な野菜や果物、キノコ類、海藻類などがお勧めです。ただし避難所で提供される食事には新鮮な野菜類が不足しがちなのが現実です。それに比べれば果物は比較的保存が利き、調理の必要性も殆んどないので、もし行き渡っていれば積極的に食べることをお勧めします。種類はリンゴでもミカンでも何でも構いません。

 

生鮮食品が乏しければ、次善の策として「乾物」を利用してはどうでしょうか。例えばフリーズドライの乾燥野菜や乾燥ワカメ、切り干し大根、豆類などをビニール袋などに入れ、そこに水を注ぎます。一定時間が経ったら水を切り、焼き海苔、缶入りコーンやゴマなどを加え、しょう油や酢、ゴマ油などで味付けすれば、即席のサラダの出来上がりです。またショウガが手に入った場合、皮ごと摩り下ろしてお茶か紅茶に入れて飲みます。体が温まって汗が出るほどで、また風邪の予防に威力を発揮します。

 

それらも充分にない場合はどうでしょうか。もしビタミン剤などのサプリメントがあれば内服するのも一つの手です。市販の野菜ジュースや青汁なども一定の有用性はありそうです。一例を挙げると、南洋産のノニという果物で作ったノニジュースは、免疫賦活作用が強力なため、風邪やインフルエンザの予防効果が認められる、と報告されています。またアロエベラやマンゴスチンなどのジュース、それに乳酸菌製剤なども有用のようです。避難所に於いては手に入る資源を最大限活用して、工夫を凝らしながら風邪対策を講じる必要性があります・・(続く)

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