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ある高校生のお子さんを持つお母さんとお話する機会がありました。お子さんの状態について悩みと心配がおありです。
お話を伺うと お母さんと子どもさんのコミュニケーションは取れている様子です。しかしお母さんに対して お子さんが
「ママは分かってくれない。」
と言うそうです。「ママは 分かってくれない。」はお母さんに「分かって欲しい。」と訴えているのです。ここでお母さん方が陥り易い落とし穴があります。子どもの状態への批判的な思いをお持ちのことが多いのです。
「あなたのしていることは 建設的ではない。」「そんなことでは 世の中通用しない。」などです。
このお子さんの場合、お母さんに「ママは 分かってくれない。」と伝えられているので お母さんが分かろうとする対応をされることでお子さんの気持ちは変化していくと予想できます。
このお母さんにお会いして一日後、私の息子が「お母さんは分かってくれる。」と言っていたのを思い出しました。実際は 私は分かっていませんでした。「勇気づけの対応」に従って 指示・命令、批判、皮肉、小言を一切しないように努めていただけです。意見は言っていました。「私メッセージ」を使って、注意深く、ですが。「分かってくれる。」が 何を意味しているのか問うのも恐くて(分かっていないことが 息子にばれるかもしれないので。)黙ってその言葉を聞き流していました。こころの中で「ごめんね、本当は分かっていないのよ・・・」と言いながら。
今思うと「批判されないで ありのままを受け止めてもらえている。」が「分かってくれる。」という言葉になったのかと思います。機会があったら 息子に確認してみたいと思っています。
自分の日常になってしまった子どもに対する態度を変えるには時間がかかります。けれど 確実に子どもとの関係が改善され、子どもは自分で考え、行動するようになります。一人でも多くの方に「勇気づけの対応」に関心を持って頂きたいと思うゆえんです。
簡単に言うと「自分が大切にしている友人に接するように 自分の子どもにも対応する。」のです。問題の初期であればあるほど、あるいはお子さんの年齢が低ければ低いほど 効果は早く現われます。
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