最近は雇用環境が厳しいためか、「会社の都合」で翻弄されたと言う働き手が増えているように思います。労働条件の引き下げ、無理な異動命令、リストラ、新卒切りや内定切り、入社したら話が違うなど、挙げればキリがありません。ギリギリの厳しい環境ですからやむを得ないところもありますが、それでもあまりにも人扱いが乱暴になっているように感じます。
ただ、景気が良かった頃のことを考えると、せっかく一生懸命仕事を教えてもすぐに転職してしまう、採用活動をしても内定辞退などは日常茶飯事、社員は会社に要求して会社は社員をつなぎ留めるためにそれに応える、会社の経費で飲み食い、なんて事がたくさんありました。「働き手の都合」に会社が翻弄されていたのかもしれません。
そんな時代もあったことを考えていると、最近の乱暴な「会社の都合」は、昔のかたき討ちをしているようにも思えてしまいます。(今つらい目にあっている人の多くは、昔おいしい目にあった人ではないでしょうから、理不尽なことは間違いないですが・・・)
何が言いたいかというと、やっぱりお互いがイーブンな関係でないと、おかしなことになってしまう、何とかうまくバランスが取れないものだろうか、ということです。
こんな環境でも「本当に社員に助けられている」と心の底からおっしゃり、良い会社にするために、社員との良好な関係作りに腐心している経営者の方は、本当に大勢いらっしゃいます。相手の立場を考え、認め、尊重する、せめてこんな基本的なことだけでもできれば、今のような嫌な風潮は少しマシになるように思うのですが・・・。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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